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7回表2死二塁、鉄平選手を遊飛に打ち取り拳を握りしめる甲藤投手 |
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8回を3人で抑えた攝津投手 |
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9回表2死一塁、聖沢選手を遊ゴロに打ち取りガッツポーズの馬原投手 |
秋山幸二監督が変則継投で、今季5度目の1点差勝利を手にした。最少リードで迎えた7回表。残り1イニングずつを攝津正投手、ファルケンボーグ投手、馬原孝浩投手による「SBM」そろい踏みが通常パターン。だが、秋山監督が2番手に指名したのは、甲藤啓介投手だった。
秋山監督「チーム事情があるんだよ。攝津、ファルケンボーグの次にくる投手がいないとね。状態では甲藤。(ファルケンボーグは)ケガだったら、入れ替えているよ。」
この日は9連戦初戦。チーム試合数の半数以上に登板している攝津投手と、昨年右ひじ痛で終盤リタイアしたファルケンボーグ投手のフル稼働を避ける-。そんな意味合いを込め、プロ5年目右腕の甲藤投手を今季初めて勝ち試合に投入した。
甲藤投手は先頭の内村選手こそ四球で出塁させたが、後続を断ち1回無失点でプロ初ホールドだ。8回表はここ2試合失点が続いていた攝津投手が1回無安打2奪三振。しっかり修正しリーグトップの10HP。「3人で終われてよかった」と胸を張った。
9回表を託すのは、もちろん守護神の馬原孝浩投手だ。味方の失策があったものの動じることなく、最速152km/hを計測した直球と2種類のスライダーを中心に、1回無安打無失点。今季9セーブ目は通算138セーブ目でセ・パ両リーグ通じて歴代10傑入りの快挙となった。「数字は終わってからついてくるもの。今は、こういう試合を取りこぼさないようにすることだけ考えている。9連投でもいきます」。頼れるストッパーは力強い言葉を残した。
秋山監督の継投策が実り、今月に入って14勝目(9敗)。3試合を残し、4月の月間勝ち越しも決めた。ただ、この日の勝利は目先の1勝にとどまらない価値がありそうだ。夏場以降の戦いを見据え、継投の幅が広がったのだから。