2010/04/29 (木)

高橋投手、自己最長の8回を5安打1失点で2勝目

8回1失点で2勝目を挙げた高橋秀投手
8回1失点で2勝目を挙げた高橋秀投手
もう「魔の水曜日」とは呼ばせない。高橋秀聡投手が自己最長の8回を5安打1失点に抑えて2勝目を挙げた。初回に1点を失ったが、2回以降は"リリーフ精神"で1イニングずつゼロを並べた。先発で2試合連続勝ち投手になるのは自身初。ローテの谷間だった水曜日の穴を完全に埋めた。

のぞいた白い歯が、カメラのフラッシュに映えた。投のヒーロー高橋秀投手は、お立ち台で満面の笑みを浮かべた。「1回でも多く投げて、中継ぎを休ませたいと思った」。8回5安打1失点。2週間前まで3戦全敗だった「魔の水曜日」で2連勝を飾り、ローテの谷間を見事に埋めた。

"リリーフ精神"が生きた。自己最長の8イニングを「1回ずつ投げた積み重ね」と振り返った。スタミナ配分を考えず、目の前の打者だけに集中した。「打者に向かっていく姿勢を前面に出せた。早く追い込んで有利に進められた」。打者29人中20人に対して初球ストライク。初回に鉄平選手の適時打で1点を失ったが、攻めの姿勢をつらぬいた。秋山幸二監督からも「よく8回まで投げてくれた。9連戦の2試合目で中継ぎや抑えに負担がかからないよう頑張ってくれた」とねぎらわれた。

「空っぽ」からの再出発だった。2月28日、開幕ローテ争いから脱落して2軍降格を告げられた。四球、死球、暴投…。制球は乱れ、どん底の状態だった。「迷っている。1回、頭の中を空っぽにしてこい」。ファームへ持っていく荷物をまとめながら、高山郁夫投手コーチに諭された言葉が胸に響いた。今月上旬からは2軍でも先発ローテを外れ、リリーフにまわった。

かつての居場所だった中継ぎで、自分の良さを取り戻した。「小さくまとまらないように、全力で腕を振った。気持ちが大事」。制球を気にせず、無心で投げ込んだ。約3週間ぶりの先発となった21日西武戦では5回1失点で今季初勝利。ようやく歯車がかみ合い始めたが、危機感だけは忘れていない。「1試合1試合、自分ではがけっぷちと思ってやっている。油断することなくやりたい」。背水の心構えで、常に全力を尽くす。頼もしきサイド右腕が、先発陣の中で輝きを放ち始めた。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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