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7回裏2死一塁、右越えに逆転の2点本塁打を放つオーティズ選手 |
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6回裏無死、中越えに追撃のソロ本塁打を放つオーティズ選手 |
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子どもたちを連れて笑顔でお立ち台に向かうオーティズ選手 |
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2本塁打と大活躍し、子どもを引き連れファンとタッチをして引き揚げるオーティズ選手 |
オー様の連発キング弾で首位ロッテに肉薄だ。ホークスがオーティズ選手の2打席連続アーチで、ロッテに会心の逆転勝ち。6回裏に追撃の8号ソロを放つと、7回裏には逆転決勝の9号2ラン。本塁打、打点部門で2冠に立ったスラッガーの爆発を原動力に、チームは4連勝で首位ロッテに0.5差。さあ、この勢いで、5月1日に首位獲りだ。
自分を信じていた。驚弾2発を放ったオーティズ選手が、落ち着いた口調で振り返った。「本塁打が出なくても、それが野球なんだ。信じているものをきっちりやる。それが正しかったことが証明された」。6回裏にロッテ大嶺投手の高め直球をとらえ追撃の8号ソロ。7回裏には大谷投手の変化球を右中間席へ、逆転9号2ラン。前日4打数無安打のスラッガーが一夜明けで爆発。2打席連発で打点(30)、本塁打(9)部門で2冠に立ってみせた。
味方を信じていた。先発杉内俊哉投手が1回にまさかの4失点。オーティズ選手は胸の内でつぶやいた。「彼は必ず立ち直ると思っていた。それは僕たち全員が分かっていた。彼を何とか助けてあげたいと思っていたんだ」。2回以降に粘り続けたエース左腕に報いたい。そんな一心で打席に向かった。
家族を信じている。4月26日に夫人と5人の子供が来日。昨年まで家族はシーズン途中も米国と日本を往復していたが、今季はシーズン最後まで一緒に過ごすと決めた。「そばにいることで安心感があるんだ」。厨房に入るなど家事全般を手伝うパパは、グラウンドでも特大花火を2発プレゼントしてみせた。
秋山幸二監督にも、忘れられない1日になっただろう。リーグトップに立つのは2冠のオーティズ選手だけではない。川崎宗則選手が首位打者で、本多雄一選手が盗塁部門でトップタイ。投手陣でも杉内投手が勝利数、勝率、奪三振数で頂点に君臨。ホールドポイントもファルケンボーグ投手と攝津正投手がトップタイ。あとは、チームの首位獲りだけ。試合後、監督室で西武の敗戦を見届けると「いいねえ」とニヤリ。残るチームの頂点にも、ロッテに0.5差。奪首の手応えは十分だ。
そして指揮官が信じた人も、きっと喜んでいるはずだ。この日はダイエーで監督や球団社長などを務めた根本陸夫さんの命日。秋山監督を西武に入団させ、トレードでホークスに呼んだ。99年に他界してから、毎年欠かさず秋山監督は根本さんのもとに花を送り届けている。ソフトバンク球団の初優勝。その目標に向かい、チームは今、信頼のきずなでつながっている。