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6回を3失点に抑え今季2勝目を挙げた小椋投手 |
地元福岡で「初笑い」だ。小椋真介投手が本拠地で自身初の先発勝利を挙げた。3本塁打を浴びながら6回3失点で2連勝。「素直にうれしい」。お立ち台でシャイな男がはにかんだ。
同級生トリオで白星をつないだ。1週間前にプロ12年目で初の先発勝利を挙げたばかりの小椋投手は、2人のエース左腕の“御利益”にすがった。パワーを分けてくれ-。前日に和田毅投手の左肩を触ると、この日の試合前には杉内俊哉投手の左肩に手を置いたという。「いろんな重圧があるんで」。自分で連勝を途切れさせるわけにはいかなかった。
打たれても打たれても、めげない。3回に里崎選手に先制ソロを許すと、4、6回には金泰均選手に2打席連続のソロアーチを浴びた。「昨日の試合を見ていたから、粘れば何とかなると思った」。きっと打線が援護してくれるはず。信じて腕を振った。大汗をかき、試合中に2度もアンダーシャツを着替えた熱投。直球は最速146km/hをマーク。7三振を奪い、前回は7個与えた四球も1個に減った。
家族も支えになったに違いない。地元福岡市出身。いとこを観客席に招待していたほか「オヤジ(父隆さん)も見ました。(試合後に)調子に乗って下の方まで来てましたね」と明かして照れ笑いした。8年ぶりの本拠地先発で、晴れ姿を見せた。同級生にはずいぶん差をつけられているが、今や立派なローテ投手として肩を並べられる。どんたくの季節に、博多っ子左腕が旬を迎えようとしている。