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8回表2死一、二塁、松田選手は左翼線へ適時二塁打を放つ |
鬼門突破で、今季の強さを証明した。ソフトバンクが、松田宣浩選手の勝ち越し適時二塁打などでオリックスを振り切った。3点差を追いつかれる嫌な展開の中、8回表2死からの4連打で試合を決めた。先発全員の今季最多17安打を放ったチームは昨季4戦4敗だったスカイマークで、593日ぶりの勝利。前日2日に連勝が5で止まり、首位から3位に転落したが、再び2位に浮上。強力打線の勢いは止まらない。
松田選手が、鬼門突破の一打を放った。同点の8回表。2死一、二塁の場面で、この日4度目の打席に入る。そこまで3打席3三振。ここで消極的になるどころか、積極性が増すのがこの男の魅力だ。「3三振していたんで、初球からいこうと思っていた」。オリックス岸田投手の初球。真ん中チェンジアップを左翼線に弾きかえした。二走の小久保裕紀選手が勝ち越しのホームイン。08年9月17日から勝てていなかった“鬼門"スカイマークでの勝利を決める一打となった。
今季の強さが凝縮された1イニングだった。序盤に3点をリード。先発岩崎翔投手はプロ初勝利の権利を持ってマウンドを降りた。だが2番手甲藤啓介投手が同点に追いつかれる嫌な展開。この8回表も無死一、二塁の好機で4番小久保選手が併殺に倒れ、敗戦ムードが漂った。しかし2死から5番多村仁志選手が「あそこで打たないとヤバかった」と、左前打で松田選手につなぐ。これに長谷川勇也選手、柴原洋選手も続き、2死から4連打で4点を奪った。
ここぞの集中力が爆発力を生んだ。「打線が調子がいいので、乗り遅れないようにしないと」と松田選手。この日は殊勲の一打以外の4打席は三振。今季は開幕2戦目の延長11回に勝ち越し弾、4月18日の楽天戦では田中投手からプロ初のサヨナラ打を放つなど、勝負どころでの大仕事が目立つ。偶然ではない。9連戦前最後の休日となった4月26日。夫人とドライブに行く予定を急きょ取りやめ、体を休めることにした。昨季2度の骨折で46試合に出場にとどまった悔しさが、全身全霊を野球に傾けさせている。
「8回はよくつながったな。ナイスゲーム」と秋山幸二監督の笑顔もはじけた。前日2日に連勝が5でストップし、1日で首位を明け渡したことなど感じさせない先発全員を含む17安打11得点。首位ロッテとは0・5ゲーム差。今の打線なら、いつでも首位を奪い返せる。