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キャッチボールの途中で指をさす杉内投手 |
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汗を流しながら外野をダッシュする川崎選手 |
交流戦3連覇を目指すホークスに、MVP争奪戦がぼっ発だ。エースの杉内俊哉投手が「MVPを狙う」と宣言すれば、選手会長の川崎宗則選手は「毎試合MVP」と全試合ヒーロー予告で応戦した。12日の中日戦(ナゴヤドーム)で交流戦開幕を迎えるが、チームはフトバンク球団400勝や秋山幸二監督の指揮官就任100勝など記念星が目前。ナインの意識の高さをバックに、記念星ラッシュで初の3連覇へ好スタートを切る。
交流戦開幕を翌日に控え、チーム内でまさかのバトルが繰り広げられた。まずは昨年交流戦で3勝を挙げMVPに輝いたエース杉内投手が、2年連続の戴冠を宣言だ。
杉内投手「目標は(チームの)3連覇です。MVP?まだ始まってないですが、狙います」。
ただ、この発言に黙っていなかったのが、すぐ近くで聞いていた選手会長の川崎選手だ。08年交流戦MVPに輝いたリードオフマン。日々試合に出場できる野手の強み?で応戦した。
川崎選手「12日の試合もMVP、交流戦すべての試合のMVPを狙います」。
連日のヒーロー宣言で、杉内投手に主役は譲らんと言わんばかりだ。 2人の大好きな季節がやってきた。杉内投手は07年から5月13連勝中。ミスターメイの称号を持つ左腕に怖いものはない。今季は、16日ヤクルト戦(神宮)で交流戦初先発の予定。「年に1度セ・リーグと対戦するのは楽しみ。自分はセとパの野球は違うと思っている」と、パを代表してのセ界制覇を狙っている。
08年に交流戦24試合で両リーグトップの37安打を記録した川崎選手も5月は強い。打撃不振に苦しんだ昨年でも、月間打率2割8分。4試合しかなかった10月をのぞけば最高の成績だった。「パ代表として負けたくない。ソフトバンクホークスの色、僕自身の色を出していきたい」。ここまでリーグトップの打率3割5分8厘のバットだけでなく、13盗塁を記録する俊足も生かし、セ界に切り込んでいく。
もっとも、2人に共通するのは、個人タイトルのMVPだけではない。チームの交流戦3連覇。それこそが、最大のターゲットだ。チームに勢いをつける記念星も待っている。12日に勝てばソフトバンク球団通算400勝の節目白星になる。さらに、連勝発進に成功すれば13日には、秋山監督の指揮官就任100勝も到達。記念星ラッシュとなれば、松田宣浩選手の左手首の骨折で沈みがちな雰囲気も一掃されるに違いない。
チームは08年、09年の交流戦を連覇。交流戦勝ち星は、通算87勝と12球団でダントツのトップ。セ6球団との全カードで勝ち越しており、敵は見当たらない。交流戦前に貯金7を稼いだ戦いをすれば、3連覇の結果は自ずと見えてくる。秋山監督は「これといった秘策はない。これまでのシーズンと変らない戦い方、1つ1つ、勝ちにこだわる野球をする」。王者のコメントを残し、敵地名古屋入りした。