 |
2回表2死二、三塁、川崎選手は先制2点適時打を放つ |
打者の本能が決勝の中前2点適時打を呼び込んだ。川崎宗則選手だ。2回表。2死二、三塁で、狙い球を直球に絞った。だが、初球、109km/hのカーブが来た。「反応?そうです」。流れる体を右足で受け止め、ジャストミートしてみせた。
本能が打たなければいけないシーンと察知していた。すべてを背負っての打席だった。直前に無死一、二塁で8番山崎勝己選手が送りバント。「2死二、三塁で川崎を想定した。川崎への信頼です。カツキ(山崎)がバントを決めてくれた」(大石大二郎ヘッドコーチ)。ベンチは和田毅投手の凡打を計算し、2死二、三塁で背番号52の打席に託していた。その期待に応え、川崎選手は「ここで打たないとって場面。連敗していたし、打ててよかった」と笑みをこぼした。
交流戦直前の一戦から、これで4試合連続安打。セ投手相手でもノンストップだ。好調の要因の1つに、野球選手として無上の喜びを感じながらグラウンドに立っている。「毎試合毎試合楽しんでやっている。何の問題もありません」。もちろん、遠征先でも宿舎出発前から筋力トレーニングに1時間以上費やすなど、安打量産の準備に抜かりはない。
5回には得意のセーフティーバントも決め、チーム唯一のマルチ安打。交流戦3試合で計4得点と本調子とは言えない打線にあって、タカの元気印が頼もしい。