2010/05/16 (日)

和田投手、「聖地」で交流戦通算14勝目を挙げる

球団400勝目の節目の試合で勝利投手となった和田投手(中央)は、左翼スタンドのファンに両手を上げてこたえる
球団400勝目の節目の試合で勝利投手となった和田投手(中央)は、左翼スタンドのファンに両手を上げてこたえる
交流戦初勝利にソフトバンク400勝、秋山監督(左)が出迎える中、笑顔でハイタッチする小久保選手(手前)ら
交流戦初勝利にソフトバンク400勝、秋山監督(左)が出迎える中、笑顔でハイタッチする小久保選手(手前)ら
和田毅投手が「聖地」でよみがえった。早大時代に名をはせた神宮で、公式戦では05年5月8日以来5年ぶり2度目となる先発。粘りの投球で6回4安打無失点に抑え、今季5勝目で歴代トップタイの交流戦通算14勝目を挙げた。チームにとっても連敗を3で止め今季交流戦初勝利。ソフトバンク通算400勝となる大きな白星だった。

無数のフラッシュを浴び、神宮のヒーローは満面の笑みで両手を挙げた。左翼席からわき上がる「ワーダッ!ワーダッ!」の大合唱に応え、和田投手が歓喜のバンザイだ。早大時代は“日常”だった光景。「神宮のおかげでプロに入ることができた。ここで投げて勝てて、本当に良かった」。05年5月8日以来の「聖地」登板で6回無失点の5勝目。完投勝利を挙げた5年前と同じく、ヒーローインタビューで歓喜の声を響かせた。

和田投手「調子は良くなかったけど、何とか粘って投げた。前回(7日西武戦で5回4失点で敗戦)が踏ん張れなくて悔しかった。だから必死で投げた。」

立ち上がりは制球がばらつき、ピンチの連続だった。3回まで毎回、得点圏に走者を背負った。「ここでは負けたくなかった」。早大時代と同様、歯を食いしばって左腕を振り抜き、ヤクルト打線をねじ伏せた。尻上がりに調子を取り戻し、序盤は140km/hに届かなかった球速は6回に144km/hを計測。5、6回は3者凡退で締めた。

早大卒業から8年。時代は流れ、球場も変わりつつある。硬くて傾斜がなだらかな神宮のマウンドは、かつて最も投げやすい場所だが、今は必ずしもそうではない。今年3月12日のオープン戦で登板した後、ちょっぴりさびしそうに漏らしていた。「マウンドが高くなっていた」。慣れ親しんだ場所だからこそ気付いた変化だった。

それでも、大学通算27勝を挙げた場所への思いは変わらない。02年11月、学生最後の試合となった明治神宮大会では準決勝敗退。華々しい活躍を見せながらも、ついに日本一には届かなかった。「プロでは日本一になる」。神宮で思い出すのは栄光だけじゃない。あの時の悔しさが原動力でもある。この日の試合前には早大の斎藤投手と大石投手が好投。後輩の熱気がほのかに残る土の上で、先輩として恥じない投球を見せた。打席でも6回に4年ぶりとなる二塁内野安打。「あんな当たりですけど」と素直に喜んだ。

連敗を3で止め、通算100勝に王手をかけた秋山幸二監督も「和田がよく投げた」と目を細めた。交流戦通算14勝目で歴代トップに並んだ背番号21は、むしろソフトバンク通算400勝の方を喜んだ。「そういう時に投げて勝てたのは幸せなこと。明日も勝って監督の100勝ができたらいい」。最後はグラウンドに向かって深々と頭を下げ、思い出の地をあとにした。
関連リンク > 、
関連リンク > 試合日程・結果
関連リンク > 順位表
関連リンク > メディア出演情報
関連リンク > チケット情報を見る

(提供:日刊スポーツ新聞西日本

一覧へ戻る
  1. トップ
  2. ニュース一覧
  3. 和田投手、「聖地」で交流戦通算14勝目を挙げる