 |
汗を飛び散らせながらキャッチボールをする小椋投手 |
小椋真介投手が「ジョー封じ」の先陣を切る。18日の阪神戦(ヤフードーム)に先発見込みで、阪神城島選手との初対決を迎える。チームも城島選手攻略に自信をのぞかせており、かつての不動の正捕手を迎え撃つ。
闘志は胸の内に秘めた。本拠地で最終調整を終えた小椋投手は17日、足早に帰りのタクシーへ乗り込んだ。城島選手との対戦について「別に普通ですよ。他の選手と同じ。(対策は)特に考えてない」と特別扱いしない姿勢を強調した。登板を前日に控え、多くを語らなかった。
成長を見せつけるには格好の舞台だ。01年10月3日のオリックス戦。プロ3年目で迎えたプロ初登板初先発のマウンドで、女房役を務めたのが城島選手だった。「初回が終わるまでは緊張した」。結果は5回6安打5失点で勝敗はつかなかった。以後は左ひじの手術など故障が続き苦しんだ。ようやく先発初勝利を挙げたのはプロ12年目の今季4月。ローテ投手の座をつかみ、今度は互いに敵としてグラウンドに立つ。
攻略には自信を持っている。高山郁夫投手コーチは「(城島選手の打撃の)傾向は出ているし、好きな球種やコースもある」と徹底分析の成果を口にした。内角が得意とされている城島選手だが「データ一本だと分からない部分もある。頭のいい打者だから、だまし合いになる」と頭脳戦を想定した。カギを握るのは精神面。「名前負けはしないようにしてほしい。自分のスタイルを変えず、自分の武器をしっかりぶつけてほしい」とハッパをかけた。
ホークス投手陣は徹底マークしている。選手会が公表しているアンケート結果によると「今季の阪神で対戦したい選手は?」の問いに対して回答した投手24人中、半数近くの11人が城島選手の名を挙げた。小椋投手は金本選手を指名しており、ここでも「城島無視」を決め込んだ形だが、必勝リレー「SBM」を支える攝津正投手と馬原孝浩投手は城島選手を名指し。守護神は「真っ向勝負」とメッセージも寄せている。
王貞治会長も注目の一戦だ。「楽しみだね。彼が(日本へ)帰ってきてから初めてだし、みんな楽しみにしているはず。(互いに)思い切って頑張ってほしい」と期待を寄せた。待ちに待った直接対決。かつての功労者といえども“故郷”に錦を飾らせるわけにはいかない。