勝負の後半戦に向け、秋山幸二監督が秘策を打った。24日からの3日間、福岡ヤフードームの屋根を開けて練習する。シンプルかつ大胆な一手だった。日本唯一の開閉式屋根を持つ本拠地ならではの特性を存分に生かした異例の特訓を敢行する。
秋山監督「今年はドームで、屋根を開けてやるようにしている。暑さ対策でね。慣れというのはあるからね。」
今年こそは失速しない。今季は7連勝の猛チャージをかけ、首位西武と0.5ゲーム差の2位で折り返した。だが、昨季は首位と1ゲーム差の2位で前半戦を終えながら、後半戦は26勝31敗3分けと勢いを失って3位でシーズンを終了。08年にも3位ターンから14勝29敗3分けと大失速して最下位まで転落した。課題の「夏バテ」を克服しない限り、V奪回は不可能だ。
実は宿敵が手本だった。秋山監督は「西武ドームは暑いだろ? 西武の連中は普段からそこでやってるから、外(ビジター)に行くと快適に感じるらしい」と古巣からの情報を明かした。ヤフードームで屋根を開ければ真夏の日差しが降り注ぐが、天井部だけが開放されるためにグラウンド上はほぼ無風状態。まるでサウナのような、体感温度40度超の“灼熱地獄”が出現する。後半戦開幕の27日楽天戦(熊本)が屋外で行われるだけに、格好の予行演習にもなる。
予期せぬ「水入り」も怖くはない。昨季は雁の巣球場で練習を行う予定だったが、集中豪雨で周辺の道路が冠水して、選手全員がそろわないアクシデントも発生した。「雨で練習どころじゃなかったもんな」。今年は3日間とも晴天が予想されており、雨天でもドームなら何の問題もない。
屋根の開閉には1回につき約100万円の費用が必要とされる。球場内の環境保持のため、急な雨などに備えて使用時間ごとに毎回開閉する必要がある。3日間では合計約300万円の大盤振る舞い。7年ぶりの頂点へ、なりふり構わぬ秋山ホークスが大汗をかきながら突っ走る。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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