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6回裏2死一、三塁、中前適時打を放ち猛打賞とする本多 |
本多雄一選手がスーパーキャッチで、和田毅投手を、チームを救った。1-0の4回表、1死二、三塁のピンチ。オリックス金子圭選手の打球は、ライナーで前進守備の本多選手の頭上を襲う。それを抜群のタイミングでジャンプし、つかみとった。抜けていれば逆転を許していた。そんなスーパープレーを「跳んだら入りましたね」と簡単に振り返った。
緻密(ちみつ)な計算があった。三塁走者は北川選手。「そんなに足は速くないんで、前進守備でも少し下がっていたんです」。北川選手の走力を計算し、通常の前進守備より2歩後ろへ。その守備位置にどんぴしゃの打球が飛んできた。前日は7回にエラーを記録。「エラーをしたくてしてるわけではない。毎日、毎日が積み重ね。練習で取り組んだ成果を出すだけ」という前向きな気持ちが、ビッグプレーにつながった。
打っても3安打、今季11度目の猛打賞。走っては2盗塁でトップの西武片岡選手に1差に迫る43盗塁とした。連敗が6に伸びた前日の試合で、本多は2点を追う8回、1死一、三塁の好機に併殺打。悔しさから試合後は居残りでティー打撃を行い、この日も早出で打ち込んだ。そんなひたむきさが、連敗ストップの活躍につながった。「攻める気持ちが強かった」。走攻守に攻めた本多選手は、まぎれもなくこの日のヒーローだった。