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試合前に登録を抹消され、左手首を押さえながらロッカールームに向かう松中選手 |
松中信彦選手が12日、左手首痛のため出場選手登録を抹消された。福岡市内の病院で精密検査を受け、左手首に炎症が確認された。全治は不明だが、2軍で治療を最優先する方針。9月中の復帰を目指すが、レギュラーシーズンを棒に振る可能性も出てきた。この日のオリックス戦は延長12回6-6で引き分け。首位西武とのゲーム差は1.5に開き、V奪回に暗雲がたれ込めてきた。
我慢強いスラッガーでも戦線離脱の結論を飲まざる得なかった。この日の練習前。松中選手の左手首炎症による出場選手登録抹消が決まった。秋山幸二監督は「感覚的なものではない。病院に行って、炎症があった。だから、炎症が治まるまでできない」と説明した。
戦列復帰時期は不透明だ。「10日間で帰ってくるのが最短だけど、様子を見ないと分からない。数日間見て、炎症が治まればいいけれど」と秋山監督。完治するまでスイングを封印する可能性が高く、最短10日間での復帰は厳しい模様。9月中の復帰を目指すとみられるが、回復が遅れればシーズン中に復帰できない可能性もある。
痛みをこらえてきた。発端は6月23日の日本ハム戦(北九州)。松中選手は2打席目に、5号ソロを放ったが「強引に打ちにいった結果、痛めてしまいました」。その後も痛み止めの注射を打ちながら試合に臨んだが、ここまで打率2割3分2厘、8本塁打。前日まで2試合連続で欠場。本人も「ベストパフォーマンスできていません」と話しており、苦渋の抹消となった。
チームにとって、痛いアクシデントが続く。今月に入ってオーティズ選手が右ひざ半月板損傷で離脱したばかり。秋山監督は「いるメンバーで乗り切るしかない」と話した。今後は、このオリックス3連戦で採用された三塁李ボム浩選手、左翼松田宣浩選手、DHペタジーニ選手のシフトを基本線に、踏みとどまるしかない。
松中選手は今日13日に再び精密検査を受ける。手術の可能性については「検査してみないと分かりません」と話した。「昨年はひざの故障でチームとファンの皆さんをがっかりさせてしまいました。期待を裏切ったことには本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と語る松中選手が、悔しさを胸にリハビリ生活に入る。