 |
西武戦へ向け移動する秋山監督 |
秘策は5回から「SBM48」!秋山ホークスが総力戦で首位奪回に挑む。17日からの西武戦は、負け越せば自力優勝が消滅する背水の3連戦。秋山幸二監督は16日、必勝パターンのリリーフ4人を早期投入する可能性に言及した。奥の手を発動して、今季1勝8敗の鬼門・西武ドームを突破する。
天下分け目の所沢決戦へ、必勝戦術はできあがっていた。「前回と逆だな」。敵地への旅立ちを待つ福岡空港で、長身をスーツに包んだ秋山監督は顔を引き締めた。「前回」とは同じ西武ドームで行われた6~8日の3連戦。2.5ゲーム差をつけていた2位西武に3タテを食らい、首位から陥落。現在は逆に2.5ゲーム差の2位。今度はやり返す-。寡黙な指揮官は短い言葉に闘志を込めた。
西武との直接対決は今回を含めて残り6試合。このカードは6勝12敗と分が悪く、さらに舞台は今季1勝8敗の敵地西武ドーム。3連勝すれば首位に返り咲くが、逆に1勝2敗以下なら自力優勝が消滅する。3連敗はもちろん、負け越しも許されない背水の陣だ。
それでも秋山監督の胸の内には秘策がある。5回からの必勝リレー投入だ。甲藤啓介投手、攝津正投手、ファルケンボーグ投手、馬原孝浩投手の4人で構成される「SBM48」の早期起用について「展開次第でね」とうなずいた。今季4人がそろい踏みすれば5勝1敗2分け、パ・リーグ相手には無敗のカルテットを惜しみなくマウンドへ送り込む腹づもりだ。
不安の残る先発陣にとっては、これ以上ない援護射撃となる。18日の2戦目にはリーグトップ14勝の和田毅投手が控えているが、17日の初戦は7月18日にプロ初勝利を挙げたばかりの陽耀勲投手、19日の3戦目は5ヶ月ぶりの1軍で今季初先発の大場翔太投手が起用される予定。高山郁夫投手コーチは陽投手と大場投手に対して「1イニングずつ精いっぱい、自分の持ってるモノや気迫を出してくれたら。結果を考えず、いけるところまでいけばいい」と、ペース配分度外視の指令を出した。
スターターにも意図は伝わっている。この日は午後に移動したチーム本体に先立って、先発陣は午前中に福岡をたち西武ドームで練習を行った。敵地の暑さに慣れておくための配慮だ。大粒の汗を流した大場投手は「ウチには『SBM48』がいるんで、ペースとかを考えず1球目から全力でいくだけ」と不退転の決意を口にした。
野手陣も総力戦を覚悟している。オーティズ選手と松中信彦選手を故障で欠くが、秋山監督は「今いるメンバーでやるしかない」と腹をくくった。絶対に負け越せない3連戦。主将の小久保裕紀選手も「ここで勝ち越さんようじゃ厳しい。まずは明日、全力でとらなアカン」と力説した。次回の西武との3連戦は9月18~20日の本拠。逆転優勝の可能性を広げるために秋山ホークスがなりふり構わぬ総攻撃を仕掛ける。