2010/08/18 (水)

秋山監督の執念継投が劇的な逆転勝利を呼び込む

勝利投手となり、笑顔でナインとハイタッチする攝津投手
勝利投手となり、笑顔でナインとハイタッチする攝津投手
秋山幸二監督の執念継投が、負けられない西武との直接対決で劇的な逆転勝利を呼び込んだ。勝利の方程式の一角、甲藤啓介投手を3回途中から送り込めば、ビハインドの展開で攝津正投手も2イニング登板。「SBM48」最速投入で流れを引き戻し、反攻への足がかりをつかんだ。

勝利のハイタッチで、ホークスベンチの誰もが思っただろう。自分たちの手で流れを取り戻した、と。秋山監督の口調も熱が帯びる。「ここまで来たら気持ちなんだ。気持ちが強い方が勝つ」。異例の継投でつかんだ勝利だ。しかも、相手は首位を走る西武。興奮しないはずがない。

秋山監督が動いたのは、3回途中だった。同点に追いつかれ、なおも2死満塁。先発陽耀勲投手を、わずか57球で見切った。2番手に指名したのは、ここまで50試合登板し、攝津投手やファルケンボーグ投手につなげるポジションを確立した甲藤投手だった。「SBM48」そろい踏みは過去8度あったが、3回途中からは、もちろん最速投入。7番浅村選手を空振り三振に仕留め、一気に逆転を許さなかった。

甲藤投手は4回に失策やミスが絡んで3失点したが、勝利への集中力は途切れない。5回に金澤健人投手を挟むと、6回から2点ビハインドながら攝津投手をマウンドへ。8回に打線が逆転すると、あとはファルケンボーグ投手&馬原孝浩投手に託すだけ。きっちりとゼロ行進で終盤の逆転勝利を結実させた。

ここまでグッと我慢してきた成果とも言える。今季、攝津投手の3日連続登板は1度だけ。ファルケンボーグ投手はなく「温存策」を取ってきた。昨年終盤にファルケンボーグ投手が登板過多による右ひじ痛でリタイアしたことを反省し、夏場までベンチは耐える策をとってきた。高山郁夫投手コーチは言った。「この3試合は特別な試合。3つ全部取るつもりで行く。特別だから」。ついに、リミッター解除の「SBM」フル回転指令だ。

この日、球場には、秋山監督に頼もしい援軍も訪れていた。将来はプロゴルファーを目指す愛娘真凛ちゃんが、関東遠征の合間をぬって来場。夫人とともに、試合も2回まで観戦していた。互いにスケジュールがなかなか合わず、一緒の時間を過ごせないが、家族との一時が日々の疲れをとってくれたことは間違いなかった。

前カードで西武に3連戦3連敗を喫したとき、秋山監督は声を荒らげることなく、ナインに説いた。「試合はまだある。勝負は先にある。前を向いて行こう」と。SBM48最速投入は、勝負の夏が来た合図だ。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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