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400号本塁打まであと2本と迫った小久保選手は、サングラス姿で仙台から福岡へ戻った |
小久保裕紀選手が、24日からの本拠地6連戦での通算400号アーチを宣言だ。現在398本塁打で大台に2本と迫っている。24日から福岡ヤフードームでオリックス3連戦に続き、ロッテ3連戦が組まれており、「今の感じだったら行ける」と語った。12年前、秋山幸二監督が400号達成した際の“約束”を地元福岡で成し遂げ、チーム逆転Vへと導くつもりだ。
12年前の“約束”を達成するときが来た。仙台から福岡への移動前。空港ロビーに腰をおろした小久保選手の脳裏には、秋山監督と交わした言葉が、よみがえっていた。
小久保選手「秋山監督が(現役時代に)400号を打ったとき『お前が続けよ』と言われたんや。あのときはよくベンチで隣だったから。オレはまだ100号に行くか行かないかのとき。全然(400本塁打は)想像できんかったけれど、『はい』って答えたんや。」
1998年6月16日、秋山監督は史上12人目の400号をGS神戸(現スカイマーク)でのオリックス戦でマークした。プロ5年目だった小久保選手は、当時通算95本塁打。ホームランアーチストの後継者に指名されたスラッガーとして、大台へあと2本に迫り、燃えないはずがなかった。
舞台は整っている。24日からは本拠福岡ヤフードームでオリックス3連戦。27日からも地元でロッテ3連戦。6試合続く本拠ゲームが、背番号9の背中を後押ししている。「福岡で?打ちたいね。今の感じだったら行ける。300号のときは1試合2発だった。一気に行きたいよ」。自身の通算300号は巨人時代の2005年9月10日の中日戦でマルティネス投手から2発マークしての到達。ホークス在籍300号も今年5月16日ヤクルト戦、1試合2発でクリア。史上16人目となる400号の偉業を祝うにふさわしいマルチアーチを狙っているのだ。
手応えはある。前日までの楽天戦期間中、スローボール相手にフリー打撃を繰り返し、右足に重心をためる感覚を取り戻した。前夜の4打席目、楽天田中投手の直球に高々と上がった遊飛だったが「思い切り踏み込んでいけた。タイミングも合っていた。(本塁打と)紙一重。今年一番高く上がった打球だった」。予兆を感じ取っているに違いない。
もう一つの“約束”も体を張って達成してみせる。昨春主将に就任し、言い続けてきた。「秋山監督を胴上げする」と。前夜は執念のヘッドスライディングも敢行。疲労回復へ、福岡に戻った後は、ハリ治療へと向った。首位西武とは1.5ゲーム差。胸に刻んだ2つの“約束”のためにも、小久保選手が豪快アーチを打つ。