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2回表2死一塁、鈴木選手の打球を後ろ向きになりながらグラブで止め一塁送球してアウトにするホールトン投手 |
頼れる右腕が帰ってきた!ホールトン投手が36日ぶりの7勝目を挙げた。2軍調整を経て2週間ぶりの実戦登板で5回 1/3を3失点。ぶっつけ本番で結果を出した。7月19日西武戦(ヤフー)以来の勝ち星はチームにとって、26試合ぶりに先発右腕が挙げた白星となった。
口を「へ」の字に曲げ、ホールトン投手がマウンドを降りた。まだ満足はできない。2被弾し、6回途中3失点での降板。それでも、7月19日西武戦以来となる白星をつかんだ。試合後には明るさを取り戻し、青い目を細めた。
苦しんだ。今季を象徴するかのように。低めに制球できず、1回2死二塁のピンチでカブレラ選手を迎えた。カウント2-1から最高の1球が決まった。外角低めへのスライダー。主砲を見逃し三振に仕留めた。「あれで今日の流れが決まった。落ち着いて投げられた」。直後に4点の援護をもらい、波に乗った。
制球は定まらなくても、120km/h前後のカーブで緩急を使い、要所を締めた。「直球でカウントを整えて変化球で勝負する形ができた」。5回に坂口選手のソロ、6回にはT-岡田選手の2ランを許すなど課題は残ったが、大きな1勝を手にした。
2週間前の屈辱を晴らした。10日オリックス戦で5回途中5失点で3試合連続のKO。2軍降格も決まった。帰りは悔しさのあまり、報道陣を避けて裏口から家路に就いた。
2軍では元メジャー投手のプライドを捨て、炎天下で修正に汗を流した。フォームをワインドアップに変え、5月に痛めた右足内転筋をカバーするため走り込みに重点を置いた。今季は「ホールトン」とカタカナで刺しゅうした茶色のグラブを愛用していたが、今回から英語で名前を入れた黒色のモデルに変更。何かを変えようと必死だった。
家族の支えも力をくれた。妻ケイティさん手作りの特製ソースをパスタやチキンにかければ、食欲は衰えず夏バテとも無縁だ。帰りは愛娘テッサちゃんと笑顔で引き揚げた。「いいリフレッシュができたと思う」。先発右腕の勝利はチームにとって26試合ぶり。昨季11勝を挙げた頼れる助っ人は、優勝戦線に欠かせない存在だ。