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1回裏2死一、二塁、先制の左越え3点本塁打を放つ多村選手 |
多村仁志選手のバットがまた火を吹いた。1回に左越えに先制の21号3ラン。8月24日オリックス戦(ヤフードーム)の初回に放った満塁弾以来、3戦ぶりの1発だ。2球目、136km/hインコースのストレートをはじき返し、弾丸ライナーで左翼スタンドに突き刺した。「真しんすぎて。真ん中を打ってドライブするんじゃないかと思ったが、そのまま入った」と振り返った。
「成瀬キラー」の本領を、大事な首位対決で発揮した。今季5度対戦し、これが3本目。対戦成績は15打数6安打6打点の打率4割だ。「成瀬はいい投手でエースだし、積極的に行った結果、先制ホームランになった。甘い球が来たら積極的に行こうと思っていた。常に集中している」。横浜高の後輩に敬意を表しながら、先輩の意地を見せつけた。
秋山幸二監督は「先に立ち上がりで成瀬を打てた。多村の1発で取った。あの3点が大きかった」と活躍をたたえた。
腰と右腕に痛みを抱えながら強行出場し続け、24日の試合では途中でベンチに退くなど満身創痍(そうい)だ。それでも仕事をきっちりこなし、チームを単独首位に導いた。「目の前の試合を全力でやるだけ。自分のモットー。それはずっと変わらない」。頼れるスラッガーは力強かった。