小久保裕紀選手と多村仁志選手が3試合連続の「アベック打点」で勝利を呼び込んだ。主軸が機能して天王山カードを制し、4年ぶりのロッテ戦勝ち越しを決めた。
0-1とリードされた4回だ。本多雄一選手、松田宣浩選手の連打で無死一、三塁の絶好機。カウント2-1と追い込まれた小久保選手はロッテ・ペン投手の内角高め直球を力ずくで振り抜いた。「何とか走者をかえしたろうという、気合一本!」。執念を乗せた打球は、詰まりながらも中前へポトリと落ちた。主将の気迫の一打で同点に追いついた。
多村選手も続いた。なおも無死一、三塁から内角の149km/h直球をとらえ、サード今江選手を強襲する内野安打。「打線が勢いに乗っていたから、どんな形でも続いていこうと思っていた。点が入ったのが何より」。ともに会心の打球ではなくても、貴重な適時打が連続で飛び出した。3回まで無安打と沈黙していた打線が、4連打で一挙の逆転に成功した。
2人は首位決戦3連戦すべてで打点を挙げた。「KTアベック打点」が出れば、今季は11勝3敗1分けの高勝率だ。5回2死満塁では左飛に終わった小久保選手も試合後は「オレがあと1本打てば楽に勝てとった。紙一重の満塁本塁打やったけど」と苦笑いする余裕があった。「こういう時に森福のようなヒーローが出てくるのは、プンプン臭うよな」。ベテランたちも、7年ぶりの歓喜の予兆を感じ取っている。