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3回表無死、左越えに先制のソロ本塁打を放つ松田選手 |
松田宣浩選手が、自己最多タイの今季17号アーチで意地を見せた。0-0の3回表。亜大の1学年後輩、日本ハム先発糸数投手の内角低め直球を左翼席にたたき込んだ。「しっかりと打てた。打てたのはうれしいけど、やっぱりチームが負けたのが悔しい」。札幌ドームでは開幕2戦目(3月21日)の延長11回に決勝弾を放って以来のアーチだが、空砲に終わり試合後は言葉少なだった。
前日の3番から7番に降格されたことを、バネにした。今季はチーム事情もあり、本職の三塁とともに左翼の守備位置にも就き、ここまで94試合に出場してきた。「レギュラーが保証されている立場ではないので」。故障で戦列を離れていたオーティズ選手がこのカードから1軍復帰し、松中信彦選手も3日のオリックス戦から1軍昇格する。ポジションのかぶる2人の大砲の存在が、27歳のスラッガーを突き動かしている。
今季こそ、20本塁打の大台に到達する。近い将来の大砲候補として期待され今季で5年目だが、これまでの最多は08年の17本。2度の骨折の影響もあった昨季は8本塁打にとどまった。今季も5月下旬に右手を骨折し、1ヶ月半離脱。「けがもあったけど、最低20本は打たないと」。前夜も札幌市内でチームスタッフと焼き肉をほおばりながら、20号到達を誓ったばかりだった。
ただ、本塁打よりも、手にしたいものがある。入団以来、経験のない優勝だ。「自己最多?まだまだ数多く打ちたいですけど、とにかくチームの勝ちにつながる打撃をしたい」。松田選手が、次はVにつながる1発を放つ。