 |
3回裏1死満塁、ピンチで汗をぬぐう和田投手 |
 |
厳しい表情で腕組みをする秋山監督(左)ら首脳陣 |
首位ホークスに悩みの種が発生だ。和田毅投手が日本ハム打線に5回0/3を9安打6失点と打ち込まれ、8敗目を喫した。シーズン自己新の15勝に王手をかけてから3連敗。チームの連勝は2で止まり、2位西武に0.5ゲーム差、3位ロッテに1差と迫られた。大混戦を抜け出るには、ダブルエースの一角が壁を越えるしかない。
決して甘い球ではなかった分、和田投手が勝利の女神に見放されている現状を象徴していた。6回無死満塁。日本ハム陽選手への初球は、外角低めにコントロールされたスライダー。食らいつくようにバットを出された打球は、右中間を抜けた。痛恨の三塁打。この回4連打目となる3点打に顔をゆがめると、ベンチから秋山幸二監督が出てきた。5回0/3で9安打6失点KOだ。
夏場を迎え、調子が下降してきた。8月11日にシーズン自己最多タイの14勝をマークしたが、そこから3連敗。3三振を奪った4回だけは直球が138km/hを計測したが、他の回は130km/h台前半がほとんど。06年9月27日の黒星を最後に4連勝中だった札幌ドームで、まさかの乱調。「打たれたら甘いとか甘くないとか関係ないです」。悔しさを飲み込むように、それだけコメントすると、背番号21は移動車に乗り込んだ。
このまま和田投手が15勝の壁を越えられなければ、チームも混戦を抜けられない。チームの連勝は2でストップ。ホークスは球宴明けに3連勝が2度(うち1度は引き分け挟む)しかない。和田投手、杉内俊哉投手の両輪が登板したゲームでは3連敗となったが、主力投手で勝てなければ、連勝が伸びないのも当然だ。秋山監督は「和田は6回は完ぺきにやられたな。3回は四球…。まあ、仕方ない。切り替えてやるしかない」と、ショックを振り払うべく淡々と振り返るしかなかった。
前夜は上位3球団のうちホークスだけが勝ったが、この日は一転“1人負け”。1ゲーム差に3チームがひしめく大混戦に舞い戻った。2日の相手先発は今季5試合対決し、0勝4敗の天敵武田勝投手。主力左腕で落とした星は、苦手サウスポー撃破で取り返すしかない。