2010/09/09 (木)

和田投手、鮮やか復活劇で自己最多15勝目

8回を投げ5安打無失点に抑え15勝目を挙げた和田投手(左)は、笑顔で小久保選手らナインを出迎える
8回を投げ5安打無失点に抑え15勝目を挙げた和田投手(左)は、笑顔で小久保選手らナインを出迎える
力投する先発の和田投手
力投する先発の和田投手
和田毅投手が自身最多15勝目を挙げた。8回を5安打無失点。秋山幸二監督による直接の説得で今季初完封は断念したが、4度目の挑戦で自己記録を塗り替え、杉内俊哉投手とオリックス金子千投手に並んで最多勝争いのトップに立った。同一チームで2人の左腕が15勝以上を挙げたのは、リーグでは59年大毎の小野投手、荒巻投手以来51年ぶりの快挙となった。

ほんの少しの未練と大きな満足が胸にあった。8回119球を投げ終えてマウンドを降りた和田投手は、秋山監督の“訪問”を受けた。ふだんはベンチ内をほとんど動かない指揮官に左隣へ座られ、異例の直接会談で説得された。すべては優勝のため、次の1勝のため。次戦先発予定は1週間後の3位ロッテ戦。優勝争いをにらんでの降板指令に、納得して首を縦に振った。

「自分は当然、最後までいくつもりだったけど、監督の方から言われたので。次の機会でしっかり投げたい」

完封にも匹敵する鮮やかな復活だった。今季のテーマである低めの投球をつらぬき、1回先頭の渡辺直選手に左前打を許して以降は6回1死まで1人の走者も出さなかった。4-0とリードした7回には1死満塁のピンチを迎えても、呪文のように「低めに」と唱え、草野選手と牧田選手を打ち取った。

泥沼から抜けだした。8月11日の14勝目を最後に3連敗。苦しんだ。「体の疲れは良くなっていた。だからもどかしかった」。復活のきっかけは炎天下の投球練習だった。5日のスカイマークで、最高気温34度の猛暑でブルペン投球。「これだ、というのが戻ってきた」。上半身だけで投げていたのが一変、全身を使う本来のフォームがよみがえった。最近3試合は130km/h台中盤だった直球が、この日は最速141km/hをマーク。4度目の挑戦で自己記録を更新した。

もう1つ、ひそかな喜びもあった。今月13日は1人娘の4歳の誕生日。「最近、書くのが好きなんですよ」。遠征の帰りにはおみやげのペンを探す優しいパパは、自己最多の15勝目をひと足早いプレゼントとして持ち帰ることができた。

「15勝で終わりじゃない。優勝しないと何もおもしろくないんで。チームが勝つ投球をしたい」

最多勝争いでもトップの杉内投手らに並び、チームで2人の左腕が15勝以上を挙げたのは51年ぶりの快挙となった。「2人で競い合いながら勝ってきた。これでスギも『よし』という気持ちになると思う」。WエースでV奪回へ。ルーキーだった03年以来の頂点だけを目指して、和田投手が全身全霊をささげる。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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