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7回裏1死、川崎選手は左線二塁打を放ちマルチヒット球団新記録を達成 |
奇跡の逆転Vへ、選手会長はあきらめない!川崎宗則選手が、球団新記録となる今季54度目のマルチ安打をマークした。初回の第1打席で遊撃内野安打を放つと、7回の第4打席では左翼へ二塁打。2003年に井口選手がマークした53度のマルチ安打記録を、7年ぶりに塗り替えた。2回には体を張った押し出し死球で、先制点に貢献。今季通算安打は181安打となり、球団記録(1963年広瀬叔功選手=187本)まで、あと6本とした。
大逆転Vまで、オレが引っ張り続ける-。そう言わんばかりに、川崎選手が大暴れした。初回。先頭で打席に立つと、遊撃左へゴロを放ち全速力で一塁へ駆け込んだ。今季180安打目は内野安打。3連敗を喫し、自力Vが消滅してから16時間余り。沈んでもおかしくないチームの雰囲気を、一気にネバーギブアップモードに変えてみせた。
2点リードの7回1死には左翼線へ二塁打を放ち、是が非でもほしい追加点のチャンスをつくった。このヒットで今季のマルチ安打は54度目。前日にも2安打を放ち2003年井口選手の球団記録に並んだが、リーチ一発で記録を更新だ。だが、川崎選手に取ってみれば、そんなことはどうでもよかった。
川崎選手「今日は(大)隣がリズムがよかったし、テンポもよくて守りやすかった。今日は隣と(山崎)勝己が頑張った。」
6月6日の阪神戦。7失点KOされた大隣憲司投手を、マウンド上で厳しくしかった。将来のチームを背負っていかなければいけない左腕。そう認めているからこそ、心を鬼にした。ただでさえ重圧のかかる試合で、反省を生かし見違えるような投球をしてくれたことが、何よりもうれしかった。
弱音など吐かない。2回1死満塁での第2打席。日本ハム八木投手が投じた4球目の内角直球が、右ひじ付近を直撃した。しばらく苦悶の表情を浮かべて動けなかったが、一塁まで到達すると先制点に笑顔を見せた。3回表が始まる際にはベンチで数分治療を行ったが、全速力で遊撃の守備位置についた。
試合後には「全然、大丈夫!」と気丈に振る舞い、腕を掲げてみせた。だが、それは左腕。ボールが直撃した右ひじ付近は赤くなっていたが、笑顔で帰りの車に乗り込んだ。ここまで全試合出場を続ける元気印の今季通算安打は、これで181安打。9試合を残し、1963年南海時代に広瀬選手がマークした球団記録187本にあと6本と迫った。
海の向こうでは、師と仰ぐイチロー選手が10年連続200安打の大記録にあと15本と迫った。ロッカーに打撃の連続写真を張り、毎日眺めている。少しでも近づくため、そしてチームに大逆転Vをもたらすため、川崎選手が勢いを止めることはない。