秋山幸二監督は、重圧をはねのけて勝利をつかんだナインに、優勝を確信した。完封した杉内俊哉投手とガッチリ握手を交わした。「本当にいい投球をしてくれた。(継投は)考えなかった。杉内に任せるしかないよな」と大仕事をした左腕を称えた。
杉内投手だけではない。選手たちは1-0と最も厳しい展開で白星をもぎ取った。デーゲームでは西武勝利の瞬間をテレビで見届けた。ナイターで敗れると、マジック消滅どころか、逆王手をかけられる瀬戸際だった。重圧をはねのけたナインを頼もしそうに見つめた。「やっとここまで来たな。明日は全員野球だ」。力強く言葉を発し、移動バスへと乗り込んだ。
秋山野球の真骨頂で、ダル倒を完遂した。7回1死一塁。そこまで2三振の田上秀則選手に、送りバントのサイン。ボール球をバントしようとするなど、まったく合っていなかったが、カウント2-0でも3バントさせた。2死になっても得点圏に走者を送って投手に重圧をかける。秋山ホークスが今季貫いてきた野球は大一番でも演じられた。
1回に本多雄一選手が球団初のシーズン50犠打を決めた。4回には松田宣浩選手が二盗を成功させ、日本ハムのバッテリーを揺さぶった。チーム本塁打はリーグ3位の133。迫力不足ながら、リーグ制覇にマジック1までこぎつけたのは、小技の重要性を読み取っていたからだ。
26日のシーズン最終戦は、文字通り今季の集大成となる。きっと、美酒が待っているに違いない。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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