球団初のクライマックスシリーズ(CS)突破への“秘策”だ。孫正義オーナーが10月14日のCSファイナルステージ初戦(ヤフードーム)に駆けつけることが29日、濃厚になった。今季は3月26日の本拠地開幕戦を観戦に訪れてチームに直接ハッパをかけ、球団買収後初のリーグ制覇を成し遂げた。悲願のCS制覇へ、総帥が再び出馬する。
天の声ならぬ「孫の声」がチームを奮い立たせる。10月14日開幕のCSファイナルステージに孫オーナーが駆けつけることが決定的になった。球団関係者は「急な海外出張が入らなければ」と前置きした上で「来ないことはないはず」と説明。現時点では、優勝ペナントの贈呈セレモニーが行われる初戦の観戦が最有力となっている。
強力な援軍となるのは間違いない。過去に生観戦した試合は22勝8敗、勝率7割3分3厘と驚異的な成績を残している。今季も2勝1敗と勝ち越した。3月26日の本拠地開幕戦では試合前にベンチ裏で秋山幸二監督ら首脳陣とチーム全員を集めて熱弁を振るい「必勝指令」を出した。さらには得意の短文投稿サイト「ツイッター」を利用して、試合中の電光掲示板に「なんとしても勝つぞーっ」などとメッセージを流してゲキ。応援のかいなく敗れると、予定を延長して翌27日も観戦して勝利を見届ける執念も見せた。
すべては、負の歴史に終止符を打つためだ。04年にプレーオフ(現CS)が導入されて以降、ホークスは過去5度の出場で1度も突破できていない。レギュラーシーズン1位で臨んだ04、05年も敗退した。7年ぶりの日本一へと再び気を引き締めるためにも、オーナーの“直ゲキ”は絶大な効果が見込める。
26日の優勝決定時には孫オーナーもツイッター上で「万歳----!」と絶叫した。球団買収後初の優勝だけに、喜びもひとしおだった。一方で球団を通じて出したコメントでは「悲願の日本一への戦い、そして『めざせ世界一!』成就への道のりは、今始まったばかり。まずはクライマックスシリーズを制して、日本一をファンの皆さんと共につかみとりましょう!」と手綱を絞った。球団総帥による直接の大号令を受け、チーム一丸となって日本一への「壁」を打ち砕く。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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