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入念にストレッチする杉内投手 |
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キャッチボールを行う和田投手 |
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練習の最初に円陣で選手に声をかける秋山監督 |
杉内俊哉投手が中4日先発の「封印」を解かれた。1日にヤフードームで再開されたチームの全体練習に参加。14日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦(ヤフードーム)に先発後、19日の最終戦までもつれ込んだ場合に中4日で先発するプランが浮上した。優勝を争うシーズン終盤も中6日で固定していたが、球団初のCS突破へスクランブル態勢に入る。
スタンバイ開始だ。4日間のオフを終え、杉内投手が始動した。ゆっくりと左腕をしならせて白球を放ち、1球ずつ感覚を確かめた。ほどよい気合が全身を包み込む。「緊張感を切らさず、かといって緊張しすぎないようにね」。静かに闘志を燃やしていた。
悲願のCS突破へ、チームはエースの「中4日先発」の解禁に踏み切る。高山郁夫投手コーチは「中4日でいくのがベストなら、そうなる」と方針を示した。14日の初戦先発はすでに決定済み。だが、もしも3勝3敗(アドバンテージの1勝含む)で19日の最終戦までもつれ込んだ場合には、背番号47に命運を託す計画だ。
5年ぶりに「封印」を解く。中4日の登板となれば05年のプレーオフ以来。今季は前半戦に中5日の先発が5度あるだけで、交流戦後は疲労を考慮して必ず中6日以上の間隔を空けてきた。壮絶な優勝争いを演じた終盤戦も、高山コーチが「(杉内と和田は)間隔を狭めたりはしない」と、かたくなに強行ローテを避けてきた。だが、04年のプレーオフ制度(現CS)創設後、5度の挑戦でいずれも敗退してきた負の歴史に終止符を打つためには、なりふり構ってはいられない。
最終決断は14日の先発後になる。高山コーチは「投げ終わった後の状態とか、相手の状況とか、いろいろあるからね」と説明した。もちろん、最終戦を待たずに一挙に決めるのがベストだ。秋山幸二監督も「アドバンテージの1勝があるから、1つでも2つでも早く勝てるようにしたい」と早期決着を望んでいる。あくまで「最終兵器」として待機することになる。
いずれにせよ、初戦に先発する杉内投手がキーマンになるのは間違いない。この日は2年連続となる最優秀投手(最高勝率)のタイトル獲得も決定。今後は8日のフェニックスリーグ、ロッテ戦(アイビー)で調整登板する見込み。目指す日本一へと全力で突き進む。