 |
居残り練習する松中選手を見守る王会長 |
松中信彦選手が5日、ヤフードームで30分の特打を行い、王貞治球団会長からCS(クライマックスシリーズ)での活躍に太鼓判を押された。全体練習後、CS調整に入って初の特打。ひたむきにバットを振り続けた。スタンドへもボールを運んだ。時折、ミスショットもあった。その度に「あ~」と、悔しそうな声を発した。気がつくと、王球団会長が見守っていた。CS調整を視察するのは初めて。2人の共演は、王会長が松中選手の背中越しに発した野太い声で終了した。
王会長「ナイスバッティング。」
松中選手「ありがとうございます。」
王会長が見ていたのは約30分の特打の中で、5分だけ。だが、監督時代から松中選手の打撃を見続けてきただけに、わずかな時間でも状態を見極められる。「体がキレているな。あれくらい思い切っていけばいいんだ。以前は考えたり、消極的なところが見えていたけれど、今は受け身にならず気持ちが前面に出ている。調子がいいのが分かってよかったよ」。わざわざ足を運んだ王会長も、思った以上の収穫といった表情だ。
松中選手にとって、何よりの励みになったはずだ。シーズンは故障もあって11本塁打と苦しんだが、9月18日からの勝負の西武3連戦で2戦連発した。自らのできがCSファイナルステージのカギを握ることはわかっている。「(14日まで)まだ好不調の波は必ずあります。やることをやって、あとは神様に祈るんです。振り込んで、走って」。王会長を納得させた背番号3に、怖いものはない。