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投内連係で馬原投手(手前)の動きを見守る、左から大隣投手、ファルケンボーグ投手、攝津投手 |
クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ制覇へ、SBMリミッター解除だ。シーズンではセットアッパー攝津正投手とファルケンボーグ投手の登板過多を避けるため、原則として3連投を避けてきたが、最長6試合の短期決戦に「禁じ手」の封印を解くことを検討。今季42ホールドポイント(HP)で、ともに最優秀中継ぎ投手に輝いた2投手をフル稼働させ、日本シリーズへの出場権をつかみ取る。
禁じ手を解くときが来た。高山郁夫投手コーチが、SBM制限解除に言及した。
「状況によってはシーズンでなかったことがあるかもしれない。ファルケンボーグの3連投も可能性はある」。
今季、登板制限がかかっていたのは昨年右ひじを痛めたファルケンボーグ投手。2日連続登板は今季13度を数えるが、3日連続は1度もない。シーズン144試合を見据え、登板過多を避けるために2日連続でマウンドに上がった翌日は、事実上「上がり」とされてきた。だが、最長6試合の短期決戦プランとして、リミッター解除が浮上した。
今季7年ぶりのリーグ優勝を果たした陰には、攝津投手&ファルケンボーグ投手の登板制限があった。3日連続登板は71試合に登板した攝津投手でさえ、6月24~26日の1度だけ。1週間(6連戦)の登板も4試合までにとどめられた。さらに、2試合連続でイニングをまたいだのは攝津投手の1度だけ。セットアッパーの両輪がともに42HPを挙げた裏には、首脳陣がもうけたリミッターにあった。
登板制限の解除は、今後、首脳陣と中継ぎ陣の会談によって正式に決められる方向だ。高山投手コーチは「(3連投は)当然考えている。ただ、抑えられる球があることが条件。投げるだけなら6連投でもできる。まだ本人と話をしていないので、何とも言えない」。ファルケンボーグ投手と攝津投手の状態を最終チェックしながら、GOサインを下すことになりそうだ。
ファルケンボーグ投手はこの日、3連投について明言を避けたが「CSは初めてなのでワクワクしている。集中力を高めていきたい。いつも仕事をきっちりやるだけ」と、与えられたポジションに全力を尽くす姿勢をみせた。2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝いた攝津投手は「大丈夫です」と胸を張った。守護神馬原孝浩投手には何があっても最後のとりでを守る。SBMフル稼働が、ソフトバンク球団初の日本一への扉を開く。