秋山幸二監督が、10日に頭部死球を受けた長谷川勇也選手に、CSファイナルステージ(14日開幕、ヤフードーム)での先発復帰プランを準備した。チーム本隊が「みやざきフェニックス・リーグ」のヤクルト戦(西都)で実戦調整を打ち上げたこの日、休養に充てた長谷川選手を今日12日までの宮崎で居残り調整させることを決定。ロッテと決戦前日の13日にチーム再合流させ、状態を最終確認した上でGOサインを下す方針を固めた。
秋山監督は3日後に控えたロッテとのCSファイナルステージ開幕へ、センター長谷川選手の選択肢をしっかり残していた。「(長谷川は)今日は休んで、明日までこっち(宮崎)に残して、試合に出させる」と説明。チーム本隊はこの日のヤクルト戦で実戦調整を打ち上げた。だが、前日思わぬアクシデントに見舞われた背番号30に、宮崎居残りによる特別調整プランを準備していた。
長谷川選手は10日巨人戦で右側頭部に死球を受けた。病院の精密検査の結果、異常は認められなかったが、この日も時折ふらつくことがあり、宮崎市内の宿舎で静養に努めた。当初の予定よりも宮崎滞在を1日伸ばし、状態が戻れば、今日12日の日本ハム戦(清武)に出場することが決定。明日13日にチーム再合流し、決戦に向けて最終チェックする方針が固まった。
頭部死球だけに、最終確認は慎重を期して行われる。秋山監督は言った。「試合でどうか?いや、そうじゃない。ルーティン(通常の練習)がやれるかどうか」。今日12日の試合の打席結果は決して重視していない。練習で通常にプレーできれば、先発復帰への道が開けるというわけだ。大石大二郎ヘッドコーチも「登録は外れない。(病院の検査の)映像では何も映っていないので、あとは怖さにどう対応するか。(チームにとっても)一枚かけるのは痛い」と、早期復帰への望みを託した。
強行出場プランは、秋山監督の長谷川選手への期待の表れでもある。秋山監督自身、恐怖心を乗り越えた1人。99年に当時の西武松坂投手から顔面死球を受けた。左ほおの骨を骨折しながら、グラウンドから離れず、ぶつけた松坂投手に「オレは大丈夫だから、内角を攻めることを怖がるな」とメッセージを送ったほどだ。今季長谷川選手は打率2割5分5厘の不振に落ち込んだ。それでも、134試合出場と外野の要を託し続けた。体調面で支障なければ、残る問題は、頭部死球の残像による恐怖心のみ。今後もホークスを担う1プレーヤーとして乗り越えなければいけない壁だけに、強行出場案を準備したに違いない。
秋山監督はこの日の試合でも勝負師の一面をみせた。0-0の2回無死一、二塁で7番松田宣浩選手に送りバントを命じた。まさに決戦本番を想定しての采配。長谷川選手が復帰可能であれば、8番センターが有力。帰ってくる準備は整っている。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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