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フェニックス・リーグのヤクルト戦、3回表無死満塁、左越え満塁本塁打を放つ田上選手 |
「打てる捕手対決」は、オレが制す!田上秀則選手が、CSファイナルステージへ向けて万全の仕上がりを見せた。フェニックス・リーグ、ヤクルト戦で満塁弾を含む3打数2安打5打点。13安打12得点で実戦調整を締めくくった打線の中で、1番の輝きを放った。今季は7本塁打と打撃不振に苦しんだが、昨季のチーム本塁打王が大一番を前に完全復調。CSファーストステージで大暴れして福岡に乗り込んでくるロッテ里崎選手との対決に自信をのぞかせた。
田上選手「ロッテの勢い?こっちはやるだけなんで、関係ない。打撃に関しては、状態はいいと思う。」
決戦を目前にし、スラッガーの本能が呼び覚まされた。3回表。無死満塁で打席に立つと、ヤクルト中沢投手の内角球を豪快に振り抜いた。26本塁打をマークした昨季同様のフルスイング。打球は、左翼席に吸い込まれた。「全然完ぺきじゃない。外野フライ」。両翼95メートルとヤフードームに比べて狭い球場での1発を謙遜した。2回の第1打席でも1死一、三塁の好機できっちり外角球を右前打。控えめな発言は、遠慮がちな男の自信の表れだ。
シーズンの借りを、必ず返す。昨季26本塁打を放ち、今季は文句なしの開幕スタメンマスク。だが極度の打撃不振に苦しみ、2度の2軍落ちを経験した。シーズン終盤は山崎勝己選手との併用でチームの勝利に貢献してきたが、打率2割0分3厘と復調できないままだった。シーズン終了後のCS練習で、江川智晃選手のバットを使用したところ「しっくりきた」と、復調のきっかけをつかんだ。この日もそのバットで5打点の大暴れ。「まあ、やるだけ」。背番号70は短い言葉に思いを込めた。