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ダッシュで調整する杉内投手(右)と和田投手 |
Wエースは恐れない!杉内俊哉投手と和田毅投手が「里崎無視」の姿勢を打ち出した。12日にヤフードームで先発投手練習。CSファーストステージで4打数4安打4打点と爆発したロッテ里崎智也捕手に対し、5年前のプレーオフでも痛い1発を浴びている両投手は「意識しない」と口をそろえた。
絶好調男も怖くない。Wエースは「里崎」という名詞を耳にしても過剰反応しなかった。
14日の初戦先発の杉内投手は「意識せずにやるだけ」と言い切った。15日の第2戦先発の和田投手も顔色を変えず「意識しすぎると逆に良くないこともある。ファーストステージで里崎さんはすごく良かったけど、こっち(福岡)に来たら変わるかもしれない」と自分に言い聞かせるように話した。
悪夢は繰り返さない。05年のプレーオフでは本拠地で里崎選手に大暴れを許した。杉内投手は初戦で、和田投手は第4戦で、それぞれソロアーチを浴びた。勢いに乗った敵の正捕手は最終第5戦で馬原孝浩投手から決勝打を放った。今季のCSファーストステージでも4打数4安打4打点と大爆発していて、高山郁夫投手コーチも「マークする打者はマークする。1年間のデータがあてはまるのか、あてはまらないのか、精査していかないと」と対策を洗い直す構えだ。
杉内投手は「勝ったから勢いはあるでしょうね」と認め、和田投手も「もちろん乗せないようにしないといけない」と警戒は怠らない。2人ともテレビを通して2日連続の逆転劇は目の当たりにしている。だが、ロッテの強打者は里崎選手だけではない。1人にとらわれてしまうのではなく、相手打線全員を見て戦い、勝つための里崎選手“無視”だ。
今季のロッテ戦では杉内投手が登板5試合で4勝1敗、和田投手が同4試合で3勝無敗と、ともに抜群の成績を残している。だから恐れる必要はない。計33勝を挙げた両左腕が実力を発揮すれば、初戦から2連勝で王手をかけるのも難しいシナリオではない。和田投手は「やるべきことをやるだけ」と力を込めた。視線の先に映るのは球団初のCS突破だけ。2人のエースが一心不乱に突き進む。