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外野で笑顔を見せる秋山監督 |
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気合あふれる表情を見せる長谷川選手 |
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ノックの合間に笑顔を見せる杉内投手(左)と和田投手(右) |
秋山幸二監督が、クライマックスシリーズ(以下CS)初制覇へ打倒ロッテの布陣を固めた。今日14日のCSファイナルステージ開幕戦(ヤフードーム)で先発の成瀬投手攻略に向け、松中信彦選手の先発起用を決めた。シーズン終盤に調子を上げ、逆転Vに貢献したスラッガーに日本シリーズ出場を託す。頭部死球の影響が懸念されていた長谷川勇也選手の先発出場も決まり、あとは白星をもぎ取るだけだ。
準備は終えた。あとは決戦のプレーボールを待つだけだ。秋山監督がいつものように短いフレーズに闘志を秘めた。「いつも通り。やることは変わらない。初戦が大事?最初に1つ勝てばね。選手は自分たちの力を出してくれればいい。頑張りましょう」。約2時間の練習を見守ると愛車に乗り込み、本拠地・ヤフードームを後にした。
ロッテのエース成瀬投手粉砕へ、松中選手の先発起用を決めた。この日、報道陣からのオーダーについての質問に、秋山監督は口にチャックをするポーズを見せただけで、無言を貫いた。だが、シーズン大詰めの西武3連戦(9月18~20日)で2試合連続アーチを放つなど奇跡の逆転Vに貢献した背番号3に、スタメンを託す決意を固めた。
打順は2通りが予想される。成瀬投手は今季ホークス戦5試合に登板して0勝4敗とはいえ侮れない。松中選手は3打席(3打数1安打)しか立っていないが、その打順が大きく試合を左右しそうだ。対成瀬投手との成績は14打数2安打ながら、5月1日に本塁打を放ったオーティズ選手起用となれば、オーティズ選手3番で、松中選手は6番起用に回る。5番多村仁志選手は対成瀬投手に15打数6安打(打率4割)3本塁打と相性がいいだけに、勝負を避けられるケースも考えられる。松中選手がポイントゲッターの役目を担う。対成瀬投手に3打数2安打のペタジーニ選手起用なら、走力を考慮して3番松中選手、6番ペタジーニ選手の方向だ。
松中選手も準備万端。「あとはやるだけです。対成瀬?今年は3打席しか立っていないけれど、頑張ります」。左手首痛に苦しめられながら、打撃フォームを修正して状態を上げてきた。03年の日本一以降、ポストシーズンで敗退し続けたチームの責任を背負ってきたベテランは、大勝負に気合十分。この日は軽めの調整だけで、仕上げを終えた。
もちろん、秋山監督はメンバー構成の最終調整にも余念はなかった。足が万全ではない森本学選手のCS起用をあきらめ、明石健志選手を合流させての野手17人布陣にする方針。10日に頭部死球を受けた長谷川選手の状態もチェックし「昨日も試合に出たし、大丈夫と言っているしな」(秋山監督)。そして本拠の地の利を生かすべく、言った。「明日も(スタンドが)赤く染まるかな?ロッテの応援もまとまっているからね」。球団はファンに赤色着用を呼びかけるイベントを催しており、球場内を打倒ロッテに染め上げることを期待した。目指すのは日本一。CSファイナルステージを通過点にしてみせる。