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9回裏無死二塁、左前に安打を放つ松中選手 |
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ゲームが終わり無人となったスタンドの前でティー打撃をする松中選手 |
今日こそ、打つ!松中信彦選手が、今日第5戦での大爆発を誓った。初戦から無安打が続いていたが、第4打席でCS初安打。チームの完封阻止につなげた。試合後は、1人居残りで打撃練習。今季は手術の影響などで苦しみながらも奇跡の大逆転Vの立役者となった主砲が、そのバットで日本シリーズ進出も決めてみせる。
敗戦から2時間以上が経過した午後6時半過ぎ。球場を後にする主砲・松中選手の表情には、自信がみなぎっていた。自分が打って、次こそ日本シリーズ進出を決める-。力強いまなざしは、そう語っていた。
松中選手「今までやってきたことしか出ない。自分のやってきたことを信じて、準備をしっかりして精いっぱいやるだけ。明日(18日)こそ、打線爆発でいきたい。」
追い上げも1歩及ばなかった惜敗後、静まりかえった球場内に乾いた打球音が響いた。主砲が、黙々とティー打撃を繰り返した。「修正すべきことを修正して。今日の反省は今日で終わらせる」。ビデオカメラで撮影した映像を確認しつつ、約1時間汗だくになりながらバットを振り込んだ。「よしっ」。最後の一振りを終え、第5戦への準備を整えた。近年でも若手以上の練習量で打撃力を培ってきた男にとって、自信の裏付けは練習しかなかった。
CS初戦から、この日の第3打席まで15打席無安打が続いた。4個の四死球や安打性の打球が野手の正面を突く不運も重なった。「結果は結果」。03年の日本一以降、ポストシーズンで敗退し続けたチームの責任を背負ってきた。「何を言われてもいい。やるだけ」。第4打席で詰まった当たりながら、CS初安打を放ち反撃につなげた。「ヒットが出ると出ないでは違う」。焦る気持ちを押し隠してきたが、重荷は完全にとれた。
9月18日の西武戦でエース涌井投手から起死回生の同点3ランを放ち、奇跡の大逆転Vの道筋をつくった。だが、11本塁打に終わった今季の借りは返せたとは思っていない。主砲のバットがきょう本拠地のファンの前で、7年ぶりの日本シリーズ進出を決める。