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9回裏無死一、三塁、小久保選手は中前適時打を放つ。捕手里崎選手 |
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9回裏2死満塁、山崎選手は捕邪飛に倒れゲームセット |
歓喜の瞬間は豪快に決めてみせる。ホークス打線が4試合連続1ケタ安打の貧打に泣き、CS初制覇は持ち越しとなった。それでも、9回に今CSファイナルステージ初の集中打をみせ、打線復調の光明は見えた。秋山幸二監督はこの日見せたオーラスの猛攻を、今日18日の1回につなげるよう指令。ロッテ先発はホークス戦2勝1敗の大嶺投手。狙うはホークス打線爆発での痛快フィニッシュだ。
CS制覇へ向け、欠けていたものをホークスが取り戻した。4点を追う9回。無死一、三塁。主将小久保裕紀選手が意地の一打だ。ロッテ渡辺俊投手の直球を中前にはじき返した。ゼロ行進に終止符を打つタイムリー。好投を演じていたサブマリンをマウンドから引きずり降ろした。さらに、2点差まで迫り、2死満塁と守護神小林宏投手を追い詰めた。勝つことはできなかったが、誰もが今日18日への手応えをつかんでいた。
秋山監督「最後の盛り上がりがね。明日は最初から(連打が)出るのが一番。それだけだね。」
前日までの3試合は、いずれも4安打に終わっていた。長打もなければ、連打もなかった。適時打も第2戦(15日)の2回の攻撃を最後に、22イニングなかった。だが、9回の攻撃は2番本多雄一選手の中越え二塁打で始まった。3番松中信彦選手の左翼とショートの間に落ちるヒットで連打も生まれた。この日も打線は7安打で、4戦連続ノーアーチと完全復調とはいえないが、豪快勝利へのくさびを打ち込んだのは確かだ。遅かった反撃を速攻に変える。レギュラーシーズンでは先制点を挙げればパ・リーグ最高の勝率7割3分6厘(53勝19敗)。自身今シリーズ初適時打をマークした主将も指揮官に呼応した。
小久保選手「CSで初めてつながったからな。明日はそれを早いイニングで。(1試合も登板のない)ファルケンボーグを休ませすぎやからな。先手必勝。」
今日のロッテ先発は大嶺投手。ホークスから見れば4試合対戦して1勝2敗(防御率4.15)と決して得意にしている投手ではない。試合後、秋山監督はオーダーについて「状態を見ながらになるだろうな」と語り、打線改造の可能性を否定しなかった。この日4打数1安打だったペタジーニ選手は、今季の対大嶺投手が2打数0安打。今CS初安打が出た松中選手も、大嶺投手に対しては6打数1安打。ベンチスタートしたオーティズ選手は、まだ今CS7打数0安打だが、大嶺投手には今季9打数4安打(1本塁打)と相性がいい。ここまで4試合不動だったMKTのクリーンアップにオーティズ選手を組み込むこともあり得る。
球場を離れる間際、主将小久保選手は早くも大嶺撃ちへと照準を定めた。「打線は形にはなってきたからね。大嶺を打たないことには始まらない」。胴上げやビールかけには、やっぱり打ち勝っての豪快な白星が似合う。ホークス打線が、今日こそは、きっと打つ。