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4日、キャッチボールを再開し笑みを浮かべる斉藤投手 |
斉藤和巳投手が25日、順調なら来年2月にもブルペン投球を再開する考えを明かした。今年2月に3度目の右肩手術を行い、現在リハビリ中。5日に術後初めて15mの距離でキャッチボールを行ったが、現在は20mまで距離を伸ばした。今後1ヶ月につき10mずつ距離を伸ばす考え。08年から実戦登板がなく、09年9月以降はブルペンにも入っていない。来季に向けては現在、育成枠での契約も含めて球団と交渉中。沢村賞右腕が奇跡の復活へ向けて、いばらの道を一歩ずつでも進んでいく。
復活への道筋が、うっすらながらも、その目に見えてきた。斉藤投手が普段通り、西戸崎室内練習場で約5時間のリハビリを黙々とこなした。私服への着替えを終えると、練習中には決して見せない白い歯をわずかにこぼし復活へのプランを口にした。「順調なら、2月にはブルペンに入る。だいぶ先の話だけど」。ブルペンには09年9月以降入っていないが、その4文字を口にしたのは、現在のリハビリが順調に進んでいることの証しだ。
復帰へかける熱い気持ちを抑えるように、石橋をたたきながらその道を進む。前日24日には、20mの距離で15分間のキャッチボール。この日は「問題ない」と、一夜明けての肩の状態に支障がないことを明かした。5日に術後初めて15mの距離で10分間のキャッチボールを開始し、2~3日おきに時間と距離を少しずつ伸ばしてきた。「5m伸びただけでも本当にうれしい」。今後は2週間で5m、1ヶ月で10mずつ距離を伸ばしていく考えだ。
ただ、ブルペン投球が最終目標ではない。9月末に医師からキャッチボールの許可が下りた際には、順調なら来夏にも実戦登板が可能な状態に戻ることも伝えられた。「(手術は)3度目やからね」。08年1月の手術後は一進一退を繰り返したが、焦る気持ちにふたをしながら慎重にリハビリを続けていく。
契約問題も、一歩ずつ前進している。来季に向けては現在、育成枠での契約も含めて球団と交渉中。この日もリハビリ後に球団と話し合いを行った。結論こそ出なかったが、小林至編成・育成部長は「結論をせかす事はしたくない。前進?私どもはそう思っている」と、話し合いに進展があったことを強調した。近日中にも再び話し合いを行う見込み。
いばらの道であることは間違いない。だが、2度の沢村賞右腕が4年ぶりのマウンドに上がるため、その道を進んでいく。