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4回からマスクをかぶった中西選手 |
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練習試合の視察を終え球場を後にする秋山監督 |
捕手と外野手の「二刀流」に取り組む中西健太選手が3年ぶりの実戦マスクで来季1軍を猛アピールした。アジア大会日本代表との練習試合で捕手に就き、3イニング無失点と好リードした。チームがFA獲得を模索する西武細川亨選手と同じ背番号「27」の“捕手”が負けじと燃えている。
秋山幸二監督をはじめ1軍コーチが見守る練習試合で、絶好のアピールチャンスが訪れた。4回表の守備。「キャッチャー中西」。場内アナウンスを聞きながら、ゆうゆうと本塁後方に座ると、3年ぶりとは思えないかんろくが漂う。08年に外野手転向するまで守っていた捕手の感覚は忘れていなかった。
中西選手「リードは難しかった。大変。でも1軍に上がるためにはどこでも守れた方がいい。一番は打つ方だけど、チャンスが増えるので頑張りたい」
3回まで5四球を出し、1失点と苦しんでいた先発下沖勇樹投手がよみがえった。4、5回を6人で料理すると、6回に中継ぎ登板した吉川輝昭投手の良さも引き出した。2者連続三振を奪い、3イニングを無失点で乗り切った。7回からは、3回まで守っていた左翼に戻った。打っては3打数1安打。立派に「二刀流」をこなしてみせた。
秋季キャンプ初日の1日朝、宿舎で小川一夫2軍監督から「捕手兼務」を伝えられ、練習場で「やります」と誓った。打撃力を生かすために08年に外野手に転向し、09年こそ開幕スタメンを果たした。だが今季の1軍登録はなし。まさに背水の覚悟の捕手“復帰”だった。
小川2軍監督は「実戦は3年ぶりだが、やる度に思い出しますよ。彼にとって、1軍に入るチャンス」と期待を寄せた。FAで西武細川選手の獲得を検討するなど、捕手強化はチームの課題。中西選手が生き残りをかけ、ウイークポイントを埋める。