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ブルペンで武田臨時コーチに指導を受ける高橋秀投手 |
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ブルペンで武田臨時コーチ(右)と小川2軍監督が見つめる中、投球練習をする久米投手 |
OH!モーレツ-。ホークスが臨時投手コーチとして招いた武田一浩氏(45=野球解説者)が、合流初日からホークス投手陣に熱血指導だ。宮崎秋季キャンプを訪れ、ボールの握りから細かく指示する一方で、200球以上の投げ込みも指令。現役時代やWBC(06年)投手コーチとして世界一に輝いた経験を惜しみなく伝授する。
OBの武田臨時投手コーチが熱気とともにキャンプ地にやってきた。合流初日、いきなり若手投手陣が活気づいた。A組(1軍)投手陣の円陣で紹介され、ウオーミングアップ後にブルペンに直行。若手右腕に対して軸足の使い方、球筋、ボールの握りなどについて丁寧にアドバイスした。
特に熱心だったのが、ローテ定着が期待されている6年目の高橋秀聡投手への指導だった。秋山幸二監督や高山郁夫投手コーチら1軍首脳陣6人が見守る中で日本ハム、ダイエー、中日、巨人と4球団を渡り歩き、救援と先発の両方でタイトルを獲得した「奥義」を惜しみなく伝えた。
「分からないことは1つでもつかんでもらいたい。相手に合わせないで、自分に合わせることが必要。対バッターで考えすぎ。高橋はいい球を持っている。自信を持たせてあげたい」
チームの課題でもある先発右腕不足解消に自信を見せた。高橋投手は「インステップから腕の振り、ボールの出どころまで教わりました。7、8割の力でいいボールを投げることが必要、全力がいいわけじゃないと言われました。まだまだ教わりたい」と声をはずませた。
武田氏は、右肩痛などの影響で今季初の1軍未登板だった新垣渚投手の再生にも全力を注ぐ構えだ。13日に行われる巨人との練習試合で先発予定の右腕について「(新垣は)精神的な面と思いますけどね。再生?努力します」と意気込んだ。高山投手コーチも「(新垣は)いいものが見つかる機会になればと思っている」と期待を寄せている。
それだけではない。この日A組に昇格した下沖勇樹投手もじっくり1時間指導、3年目の久米勇紀投手には熱血指導のあまりプロ入り後初の200球を投げ込ませてしまった。
「球数を投げ込むことで分かることもある。体力はあるんだから。フォームが固まっていればいいが、今はバラバラなんだから。投げて覚えないと。ぼくも春のキャンプで3,000球投げていましたよ」
世界舞台も知る武田氏の存在がチームの刺激になっている。