2010/11/19 (金)

和田投手、パ・リーグMVPを初受賞

プロ野球コンベンションが18日、都内で開催され、今季17勝でパ・リーグ最多勝の和田毅投手が初のMVPに輝いた。明治神宮大会で胴上げ投手となった早大の後輩、日本ハムドラフト1位の斎藤佑樹投手にエールを送り、ともにリーグを盛り上げていこうと呼び掛けた。セ・リーグMVPは中日和田一浩外野手が初受賞した。セの新人王は長野久義外野手で、巨人から3年連続。パは日本ハムの榊原諒投手。セ、パのベストナインも発表された。

和田投手の初めてのMVP受賞に、もう1つの喜びが重なった。母校早大が明治神宮大会で優勝した。胴上げ投手になったのは、斎藤佑樹投手。ドラフト直前には東京6大学秋季リーグの優勝指令を飛ばした相手でもある。自身の栄誉と変わらぬ充実感があったに違いない。エールを送る和田投手の切れ長の目が、ひときわ柔和になった。

「本当にこの4年間苦しいときもあったと思う。有終の美を飾って。プロの世界に入ってくるのを大歓迎して、彼の力を存分に発揮して盛り上げてほしい」

日本ハムのドラフト1位指名選手。抽選に参戦したホークスは当たりクジが残っておらず、チームメートにはなれなかった。それでも、かわいい後輩の最高の1日が、ただ、うれしかった。そして、ライバルの存在が自身をさらなる高みへ導くと信じている。

今季17勝でオリックス金子千投手と並ぶパ最多勝。MVP受賞会見では16勝を挙げ、W左腕エースとして君臨した杉内俊哉投手に感謝の言葉を並べた。「ここ数年、自分がふがいない中、杉内がチームの柱として投げてくれた。スギのおかげでここまで投げられた」。

最後はニックネームでコメントしたほど、思いに偽りない。昨年は左ヒジの故障で夏場3ヵ月(6~8月)の戦線離脱を味わった。自己ワースト4勝に終わった悔しさをバネに、昨秋キャンプで投げ込みを行うなど準備を進めた。今季1度もローテから外れることなく、先発陣をけん引。自身ルーキーイヤーの03年以来、チーム7年ぶり優勝の原動力となった。MVP争いは585ポイントで、480ポイントだった杉内投手に100点差以上つけて受賞だ。

「最初に聞いたときはビックリした。昨年ヒジを故障して思うような成績を残せなかった。その悔しさをぶつけた1年。リーグ優勝という最高の形で、栄誉ある賞もいただけた。打線の援護、中継ぎのみなさんのおかげ。ファン、裏方さん、スタッフ全員に感謝したい」

左腕投手でプロ8年目受賞は最も遅咲きという快挙?も加わったが、満足感ばかりに浸ってはいない。オーバーホールを打ち上げた前日17日もヤフードームで練習に汗を流したほど。母校の“V戦士”たちがプロの歩みを始める来季へ、和田投手もスタートを切っている。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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