世界の王の熱烈ラブコールで、12月上旬にホークス内川誕生だ!ホークスが26日、都内ホテルで内川聖一選手と1度目のFA交渉を行い、王貞治球団会長の直接出馬でハートをわしづかみにした。「今の君が必要なんだ」-。王会長の言葉に内川選手は感激。今後、内川選手は広島との2度目交渉を経た後、12月上旬にホークス入りを表明する方向だ。
夕食を挟みながら、内川選手との約1時間の交渉を終えた王球団会長が、会見場へ最高の笑顔で現れた。待ち受けた報道陣を見渡すと「すごいね~。(直前に内川選手の会見があり)もう取材終わったんでしょ」と、開口一番ジョークも飛び出した。「手応え?私の顔を見てもらえれば分かると思いますが、感触はよかったです」。そう語る表情は、好感触の喜びで崩れっぱなしだった。
交渉開始の2時間も前にホテル入りした王会長の口説き文句は、真っすぐな性格を物語っていた。
「君自身のスタイルを変える必要はない。今の君を必要としているんだ」
08年に右打者最高打率を樹立したヒットマンに、通算868本塁打の「世界の王」が贈る最高のプレゼントだった。
和食を味わいながら、打撃理論にも花が咲いたという。08年に本塁打を捨て安打量産にスタイル変更した08年から内川選手は3年連続打率3割。「彼は自分なりに工夫してスタイルを確立した。打者というのはコツをつかむことが大事なんだ。彼はそのコツをつかんでいる。戦力になるのはもちろん、若い選手の勉強になる」と王会長。一流スラッガーしか分かち合えない空間だったのは間違いない。内川選手は熱烈ラブコールに「今まで一生懸命野球をマジメにやってきてよかった」と感激しきりだった。
もちろん、球団の誠意は、国内FA戦線で4年ぶりとなる王会長の直接出馬だけではない。契約年数は4年。背番号24も提示。年俸総額は明らかにされなかったが、変動制とみられる。活躍に応じて年俸が上下するシステムだが、リーグにかかわらずヒットマンの脅威は衰えないとばかりに、内川選手は「年俸変動制は魅力の1つ」と言い切った。
内川選手は大分県出身。王会長は言った。「九州、地元に戻るということでやってくれればいいなと思います」。広島との2度目交渉が残されており、一発回答ではなかった。だが、12月上旬、ホークス内川が誕生するはずだ。
(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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