決意の前倒しトレだ!松中信彦選手が10日からグアムで1次自主トレを行うことが4日、分かった。例年シーズン開幕に合わせて調整を行ってきたが、来季は約1カ月早く仕上げ、オープン戦初戦に照準を定めることを決意。来年1月の2次自主トレでは早めの打ち込みを敢行し、開幕前に結果を残す考えだ。若手並みのオフを過ごし、新加入する内川選手らとの激しいレギュラー争いを勝ち抜く。
腹を決めた。実績もプライドもかなぐり捨てて、松中選手が来季のレギュラーをつかみにいく。3冠王にも輝いたベテランが、来季はオープン戦の初戦から結果を求めにいく決意を明かした。
「実績とか関係ない。競争で勝っていかないといけないことが、今シーズンで分かった。来季はオープン戦の初戦から全開でいく」
調整を一任される実績あるベテランは通常、シーズン開幕に照準を合わせる。試合に出始めるのも、オープン戦後半からというのが通例だ。だが今季の不調を真摯(しんし)に受けとめ、自分がレギュラーであるという認識を捨てた。もう1度レギュラーをつかむため、オープン戦から若手並みにアピールする考えだ。
今季のオープン戦初戦は2月26日だったが、来季は2月後半の試合出場を可能にするため、まずは10日からグアムで1次自主トレを敢行する。10日間の走り込みを合宿を経て、来年1月の自主トレでは例年より早い段階から打ち込みを開始する。
「まずは打たないと(試合に)出られない。早め早めにやる。第2クールくらいから打ち込む」
昨季の右膝手術の影響もあった今季は不調から、79試合の出場にとどまった。本塁打も、レギュラーに定着した99年以降最低の11本。FAで内川選手、細川選手の加入が決まり、オリックスを自由契約になったカブレラ選手の獲得にも乗り出すことも決定的。レギュラー争いは今季以上に激しさを増す。
「誰がくるとかじゃない。やるしかない。アピールするしかない」
シーズン終了直後の10月22日に古傷の左手首を手術。順調にリハビリを消化している。この日は地元の熊本で野球教室を行ったが、燃えたぎる熱い気持ちを抑えきれなかったのか、指導の合間に子供用のバットをブンブン振りまくった。最後には試合形式のゲームに自ら代打で登場し、特大本塁打を放ち会場を沸かせた。一からの出直しを決意した松中選手が、来季こそ特大アーチと大歓声を取り戻す。