
新人合同自主トレを視察し引き揚げる山倉2軍バッテリーコーチ

メディシンボールを使ってトレーニングする山下選手

砂浜をダッシュし、ヘッドスライディングでゴールに飛び込む山下選手(中)と牧原選手
一流捕手になるために、先輩投手の部屋を回ってこい!ドラフト1位・山下斐紹選手に「山倉イズム」注入だ。昨秋就任した山倉和博2軍バッテリーコーチが25日、福岡・西戸崎での新人合同自主トレを初めて視察。巨人での現役時代、先輩の堀内恒夫氏から受けた助言をもとに"夜ばい指令"を出した。
ドラフト1位の山下選手に、山倉流の英才教育が施されれる。山倉新2軍バッテリーコーチは自身の子供よりも年下という若者をほほえましく見つめ、ある指令を与えることを明かした。
山倉コーチ 「まだ性格もわからないけど自分から積極的に動いてほしいね。僕が大学から(巨人に)入団した時は、先輩投手の部屋を全部回った。同部屋だった堀内さんに言われてね。」
将来の正捕手候補として期待される18歳への指令は、先輩投手の部屋巡りだ。山倉コーチは新人だった1978年当時、投手陣のリーダー格だった堀内氏から助言を受け、練習後に春季キャンプの宿舎で全投手の部屋を回ったという。
山倉コーチ「当時は先輩と言えば怖かったけどね。」
緊張に震えながら、小林繁氏や新浦寿夫氏など黄金期を支えた名投手の部屋をノックした。その結果、何人もいる投手の性格を把握し、自身を理解してもらうこともできた。1年目から69試合に出場し、その後10年以上にわたり巨人の正捕手を守り続けた。その経験があるからこそ、18歳の新人にもあえて"夜ばい指令"を出す。
山倉コーチ「まずは2軍の投手の部屋からでいいから、それくらいやってほしいね。技術については1から鍛え直します。」
キャンプメンバーは発表されていないが、育成方針から山下選手はB組(2軍)に入ることが濃厚。この日、西戸崎合宿所で練習した山下選手は、同コーチの視察には気づかなかったが、その指令に応えるつもりだ。
山下選手「自分もそうじゃないといけないと思っているしやっていきたい。(山倉コーチには)キャッチャーのことはすべて聞きたい。」
早速この日は、昼食休憩の時間を利用して、同い年のドラフト3位・南貴樹投手の投球練習に付き合った。山下選手も目標に掲げる阪神城島選手は入団1年目のキャンプで、当時ダイエーのエースだった工藤投手の部屋を何度もノックした。断られても食らいつき、球界を代表する捕手に成長した。一日も早い1軍デビューを目指し、山下選手が宮崎で先輩投手の部屋をノックしまくる。