プロ初完投勝利を飾った大隣投手はスタンドに向かって手を振る

　王ホークスの勢いが止まらない。大隣憲司投手（23）が右打者９人を並べたロッテ打線を、散発３安打１失点のプロ初完投勝利。最速144キロの直球を主体とした攻めの投球で、球団６人目となる毎回の12奪三振もマークした。
「まさか完投できるとは思ってなかった。大学以来ですからね。何か違ったうれしさがあります」。７回にはクリーンアップを３者連続三振。「スピードは関係ないけど、直球のキレ、伸びが戻ってきた。納得のいく直球が放れてるので、直球で勝負ができた」。
後輩ルーキーの活躍も、大隣投手に刺激を与えていた。23日の楽天戦で新人大場投手がプロ初登板で、リーグ史上初となる無四球完封勝利。「正直、悔しかった。完封はまだ自分もしてない。先を越されましたからね」。
大場投手の完封勝利に続いて、大隣投手も完投勝利。若い投手が活躍しての開幕５連勝に、王監督の目尻も下がりっぱなしだ。「（大隣投手は）大学時代の投球を思い出したかな。球威が最後まで衰えなかったね。（大場投手とは）お互いがいい形でライバル意識を持ってね」。斉藤投手、和田投手は不在だが、大場投手、大隣投手と生きのいい両腕が、王ホークスを支えていく。

（提供：西部日刊スポーツ新聞社）