「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2024~第20回記念会~」は12月27日、明治神宮野球場とベルーナドームで大会2日目が行われました。26日の初戦に勝利していた福岡ソフトバンクホークスジュニアは東京ヤクルトスワローズジュニアと対戦し、延長7回タイブレークの末に6-3で勝利。28日に行われる準決勝へと駒を進めました。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 |
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ホークスジュニア |
2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 |
スワローズジュニア | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
ホークスジュニア:竹島、溝田、松永-富安
スワローズジュニア:石﨑、中林、波多、白濱-白濱、向
ホークスジュニア:平井
スワローズジュニア:坂本
前日の大勝の勢いそのままに、ホークスジュニアが初回から主導権を握った。四球で出塁した外山泰基選手が盗塁などで三塁へ進むと、石田陸人選手の三ゴロの間に先制。さらに山﨑海和選手、山田吏槻選手、今西優成選手の3連打で1点を加えた。3回には今西選手の適時二塁打で加点し、序盤で3点のリードを築いた。
先発の竹島湧大選手は独特の二段モーションから3回2死まで無失点と好投。しかし、そこからソロ本塁打を浴びると、安打と四死球で満塁とされたところで降板。あとを受けた溝田将司選手が許した不運な内野安打の間に、2人の走者が生還して試合を振り出しに戻された。
それでも、4回以降、溝田選手は最速125キロの豪速球を武器に力投。5回1死一、二塁、6回2死一、三塁と度重なるピンチを切り抜けてタイブレークへ試合が突入すると、ドラマは延長7回に待っていた。
無死一、二塁で始まるタイブレーク。先頭で代打に送られた平井秀虎選手が右翼フェンスを超える劇的な3ラン。勝ち越しに成功すると、その裏、松永悠希選手が1死満塁のピンチを背負いながら、最後は投ゴロ併殺で切り抜けて激戦に終止符を打った。2連勝で見事に準決勝進出。決勝進出をかけ、28日は広島東洋カープジュニアと戦う。
そうですね、しびれましたね。現役以外でこんなにしびれる試合に出会うとは思わなかったです。
バッティングも良かったので。昨日投げたっていうこともあって今日はベンチスタートだったのですが、ここしかないかなと思って起用しました。
そうですね。びっくりです。
そうですね、本当に力強いボールを投げます。いつもは先発していたのですが、今回は竹島くんがしっかりゲームを作ってくれたので、この流れでいこうと最初から決めていました。
本当は中継ぎで行こうと思っていたのですが、最近すごく練習試合での調子が良かったので、自分自身で先発を勝ち取ってくれました。コントロールよく、しっかり低めに集めて、いつも通りのピッチングを今日も見せてくれたかなと思います。
本当にそうですね。でもみんな気持ちを熱く持ってくれているので。
嬉しいしかないですね。最高の結果をくれた子供たちに感謝です。
最後に投げた松永くんは本当にコントロールがいいので。最初からノーアウト一、二塁だったんで、僕は『2点は取られてOKだよ』って言っていました。彼もいつもの通りコーナー突くピッチングをしてくれました。選手たちがこの大舞台で落ち着いてプレーできているので、こういう結果になってるんじゃないかなと思います。
80点くらいです。満足感はあります。
絶対に抑えてやろうと思っていました。
はい。投げたいと思っていたので。
(ホークスジュニアの)選考会の少し前から変えました。
体が小さいので勢いをつけて投げようと思ってやったら良かったので。
いま高校3年生のお兄ちゃんが考えてくれました。
途中で代わったけど、やれることはやったよって伝えたいと思います。
先頭バッターだったので、絶対に出てやるんだっていう気持ちで打席に入りました。
ちょっと上がりすぎたかなと思ったけど、押し込めたので入りました。
めちゃくちゃ嬉しかったです。
固くなったら引っ掛けてしまうので、軽い気持ちで柔らかく入りました。
『任せたぞ』と若林コーチから言われました。
みんなすごかったです。次は多分先発で投げるので、しっかり抑えて、チームみんなが盛り上がっていけるようにやりたいです。
ありがとうございます。
2点取られてもいいから、1個1個集中して投げていました。
点は取られていいから、集中して最後まで全力で投げるよう言われました。
緊張しました。ただ、思ったよりもいけるなと思いました。
焦ったけど、1個1個丁寧にやりました。
自分はコントロールに自信があるので、焦らずに自分のピッチングをできたらいいなって思っています。
同じ(所属)チームの1個上の先輩で、去年のホークスジュニアにいた野村くん(遥希)に憧れていたからです。
走攻守が揃っていて、いつも放課後におじいちゃんたちと練習していて、チームでもすごいなと思っていたからです。
『日本一になって帰ってきてね』って連絡をもらいました。
僕たちは去年の先輩たちより強いので、絶対に日本一になります。
劇的な幕切れが待っていた。3-3の同点でもつれ込んだ延長タイブレーク。7回無死一、二塁で、ホークスジュニアに勝ち越し点をもたらしたのは、平井秀虎選手のバットだった。暗くなった神宮の夜空に高々と舞い上がった打球は右翼フェンスを超えていった。「めちゃくちゃ嬉しかったです」。チームを準決勝に導いたヒーローは力強く左手を突き上げて、笑みを浮かべていた。
両チームとも3点ずつを奪い合って迎えたタイブレーク。ホークスジュニアは5回、6回と窮地を脱して、延長戦に持ち込んでいた。先頭で打順は9番の佐々木銀侍選手に巡ってきた。「ここしかない」。帆足和幸監督は前日に投手として先発して好投していた平井選手を代打に送った。
「絶対に(塁に)出てやるんだっていう気持ちで打席に入りました」。左打席で平井選手が力強くバットを振り抜くと、快音とともに打球は舞い上がり、フェンスを超えた。ベンチも、スタンドの応援団も歓喜した。値千金の勝ち越し3ラン。平井選手の父・智成さんも「みんなが繋いでくれた場面だったので、思い切りスイングして欲しいと思って見ていました。感動しました」と声を震わせた。
父によれば「朝起きて、夜寝るまで野球をしている」というほどの“野球大好き少年”だ。野球を始めたのは4歳の頃。おもちゃのバットとボールで遊び、両親から褒められて喜んでいた秀虎少年は「僕は野球になる」と宣言した。父も母も野球の経験はなし。両親も揃って野球を覚えるところからスタートし、毎朝、早くから父と練習するのが日課になった。
諸事情があって現在、所属するチームはなし。日々、父との練習で体と技術を磨き、8月からは週末のホークスジュニアの練習に熱中した。小学校1年生の頃から目指していたホークスジュニア。「もう毎週末が楽しみで仕方がない様子でした。ホークスジュニアに入るために毎日練習していた。選考会に受かって家族みんなで喜びました」。智成さんも感慨深げに4か月の日々を振り返った。
初戦の先発を任されたように、投手も務める平井選手。「次は多分、先発で投げると思うので、しっかり抑えて、みんなが盛り上がっていけるようにやりたいです」。チームは準決勝に進出。2009年以来、15年ぶりの頂点へ、あと2勝だ。