2025/10/18 (土)
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王貞治会長が文化勲章を受章「まさか自分が」 野球界から長嶋茂雄さんに次ぎ2人目

福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長(85)が今年の文化勲章に選ばれました。スポーツ出身者の受章は4人目、野球界からは2021年に受章した長嶋茂雄氏(故人)に次いで2人目です。王会長は「野球は団体スポーツ。選手としてスタートして、いろんな人とのつながりがあってここまでやってこれた。そういう人たちと一緒に頂けたと思っています」と感謝の思いを口にしました。

東京・早稲田実業高から18歳で巨人入り。代名詞となった「一本足打法」で本塁打を量産し、長嶋氏とともに「ON砲」としてV9時代の巨人をけん引しました。通算868本塁打は米メジャーリーグを含めても最多記録。現役引退後は巨人、ダイエー、ソフトバンクで監督として通算1315勝を挙げ、2000年のダイエー・王監督と巨人・長嶋監督による日本シリーズ「ON対決」は列島を熱狂させました。

今年6月に死去した長嶋氏を「存在感がずば抜けていた」と振り返った王会長は、改めて盟友に思いをはせました。「長嶋さんの受章は当然だと思っていたけど、まさか自分が選ばれるとは。びっくりしています。ONという形で切磋琢磨できて僕は良かったと思っているし、長嶋さんもそう思ってくれているんじゃないかな」と目を細めました。

85歳になった今もみずほPayPayドームで試合がある日は練習からチームを見守り、身ぶり手ぶりで選手たちに指導しています。また、今年5月には一般財団法人「球心会」を設立し、野球界から世界的ヒーローを生み出すための事業に取り組んでいます。自らを「飽きっぽい性格」と分析する王会長ですが、野球だけは幼い頃から特別なものだったといいます。

「何をやっても長続きしなかったけど、野球にはときめくものがあるんですよ。もっと高いところへいきたいというかね。両親にも兄弟にも感謝したいし、小学校からずっとやってきた仲間たち、一緒に日本一を目指した仲間たち、教えていただいた方もたくさんいる。一人で何かをなすことはできない。野球とのふれあいがあったからこそ、今があると思っています」

通算本塁打数の世界記録を更新した1977年に日本初の国民栄誉賞を受章し、2010年には文化功労者として顕彰されました。そして今回の文化勲章。野球人口の減少が加速する中、心から野球を愛し、野球とともに生きてきた王会長の思いはさらに熱くたぎっています。

「今までやってきたものをより進めて恩返しするしかない。これから世の中に出てきて、将来の日本を支える人たちの成長過程でやれる野球の輪をもっと広げていきたい。勝ち負けだけにとらわれない野球もやっていくことで、その輪は広がる。野球を志す子供を増やせるように、頑張っていきますよ」

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