 | | 10回表から4番手で登板した馬原投手 | 馬原孝浩投手の完全復活がドロー劇の収穫だ。西武2回戦は今季2度目の延長に突入。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも活躍した守護神・馬原投手が10回からマウンドに立ち、2回2安打無失点。右肩炎症の影響で定めていた昨年までの“1回限定”は解除。569日ぶりに2回を投げ切った。神内靖投手、攝津正投手、水田章雄投手を合わせた救援4投手が5回 2/3 を無失点リレーと、勝利の方程式の精度アップを印象づけた。 クイーンの名曲「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に球場がどよめいた。今季2度目の延長戦。この試合にかけるチームの執念は客席に伝わった。2-2の10回。コールされたのは守護神・馬原投手だった。 自らの登場曲に気持ちを高ぶらせ、栗山選手を内角、中島選手を外角の151km/h直球でそれぞれ見逃し三振で滑り出した。この回をきっちりゼロに抑え、味方の援護を待った。しかし、ここからが昨年と違う。2イニング目も戦場に向かった。 馬原投手 「07年の後半はよくあったこと。今年は初めてでしたが、マウンドに立ったら関係ありません」。 昨年は開幕前に発覚した右肩炎症で開幕アウト。初登板は7月下旬までずれた。復帰後も首脳陣が肩を心配し“1イニング制限”が敷かれていたが、今季からは解除。11回は1死から一、二塁とされたが、併殺で切り抜け、2回2安打無失点、3奪三振。2イニング以上を投げたのは07年9月24日の日本ハム戦が最後。569日ぶりの続投はスコアボードの「0」以上の大きな意味があった。 馬原投手 「今日みたいな粘りの投球をするだけ。打線が打つ時もあるし、(投手陣か)どっちかがカバーしないと。お互いさまです。投手は投手でカバーしないといけませんから。状態は徐々に良くなってます」。 当然の仕事と言わんばかりの表情が、復活を物語った。昨年3月の故障は深刻だった。「あの当時は眠れないのが普通でした。肩がまひしていて…」。ベッドの上で寝返りを打つ時も左腕で右肩を引っ張り、体勢を変えていた。投球再開のめどがたたず、不安な時期もあったが、今年はWBCから活躍し、この日は正念場で複数イニング投げられることを証明した。 守護神を挟む形で登板した3人のリリーフ陣も光った。7回に2-1と勝ち越されると、秋山幸二監督は神内投手を投入。攝津投手、馬原投手、そして最終12回はベテラン水田投手が抑え切った。4投手で5回 2/3 を無失点リレー。リードする展開で使う「勝利の方程式」が執念のドロー劇を呼び込んだ。 秋山監督は試合終了後、約3秒間腕組みしてからベンチを後にした。「総力戦ねぇ。どうなんだろう。勝ってた試合なのか、負けてた試合をアレ(引き分け)なのか」。悔しさは胸に押し込めたが、リリーフ陣には手応えをつかんだ。「神内も攝津も踏ん張った。馬原も水田もよくやった。馬原の2イニング?そりゃあ大きいよ」。白星は手にできなかったが、長いシーズンを見据えれば大収穫だった。 |