2009/04/19 (日)

主将のバットで連敗を止めた

9回表2死二、三塁、小久保選手は左前へ勝ち越しの2点適時打を放つ
9回表2死二、三塁、小久保選手は左前へ勝ち越しの2点適時打を放つ

主将のバットで連敗を止めた。小久保裕紀選手が、ロッテ2回戦(千葉マリン)の9回表に決勝の2点適時打。貧打にあえぐチームの連敗を3(1分け挟む)でストップさせた。前日17日に右足ふくらはぎに違和感を覚え、今季初めてのDH出場を強いられたキャプテンが、チームを窮地から救ってみせた。 連敗脱出の扉をこじ開けたのは、キャプテンの一打だった。決して会心ではない。三遊間をゴロで抜けた打球が、ここまでの苦しみを象徴しているかのようでもあった。「みんなの勝ちたいという思いが(打球に)詰まっていたんやろう。よう抜けてくれた」。9回表2死二、三塁からの決勝V打。泥臭いヒットでも、心から喜べる。小久保選手がしみじみと言った。「勝つのはしんどいわ。負けるのは簡単だけど」。連敗を3で止めた安ど感を隠すことはなかった。
本当は守って一緒に戦いたかった。前日17日の試合で走塁中に右足ふくらはぎに違和感を覚えた。一塁を守り、投手への声かけをルーティンとしてきた男が今季初のDH出場。キャンプからナイン一人一人と食事を重ね、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でオープン戦を抜けた杉内俊哉投手、馬原孝浩投手、川崎宗則選手も今月上旬の仙台遠征で労をねぎらった。チームを束ねてきた主将にとって、一緒に守らないのは辛い決断だったが、シーズン完走を見据えてバットだけに専念した。「やっぱり、慣れてないから、リズムが取りにくい。明日は守るわ」と苦笑いを浮かべたが、足の痛みは白星がやわらげてくれたに違いない。
8日の楽天戦を最後に、8試合打点を挙げていなかった。その間、32打数6安打(打率1割8分6厘)の自身の不調とともに、チームは1勝6敗1分け。「今日の試合に限らず、ずっと苦しかった。いろいろなことを考えながら打席に入った」と小久保選手。責任を背負い込んだ男が、チームの4カード連続負け越しに待ったをかけた。秋山幸二監督も背番号「9」の一打での連敗脱出をひときわ喜んだ。「コク(小久保)が打ったのが大きいよ。明日につながる」。
6日ぶりの勝利。負ければ4点の先制もフイになり、かつての同僚井口選手の1発を浴びるなどダメージは計り知れなかった。先発新垣渚投手の乱調を消し去り、中継ぎ陣の奮投も実った。「投手が頑張ってくれた。神内、久米とね。久米はよく3イニング投げてくれた。新垣?なんくるナギサくらいになってくれないとね」と秋山監督も珍しくジョークで締めくくった白星。さあ、今日19日は今季初の連勝へ、5度目の挑戦だ。

 

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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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