2018/04/14 (土)
球団 選手

熊本中止に工藤監督「特別な日。やりたかった」

4月14日(土)に熊本市の藤崎台県営野球場で予定されていたマリーンズとの公式戦は、試合開始直前に雨が強まりプレーボールを遅らせて状況回復を待とうとしましたが、グラウンドコンディションも不良になり13時3分にやむなく中止となりました。

この日は、2016年の熊本地震で最初に震度7が発生してからちょうど2年が経った日でした。「ファイト!九州」をスローガンに継続的な復興支援活動を行っているチーム、選手たちにとっても、「野球で、熊本を元気に」と全力プレーを披露する準備を整えていただけに皆残念な面持ち。工藤公康監督も「熊本の県民の皆さんにとって特別な日。やりかったです」と思いを口にしました。

柳田悠岐選手も「天候には勝てませんが、残念です。選手会長として復興支援の活動はこれからも継続して続けていけるように考えたい」と話していました。
プレーボール予定時刻の前には、「児童養護施設 菊水学園」の生徒41名を選手会が招待。柳田選手、今宮健太選手、中村晃選手、さらに当初予定にはなかったサファテ投手と森唯斗投手も参加して一緒に写真に収まりました。

そして、試合は中止となってしまいましたが、熊本出身の歌手、「Do As Infinity(ドゥー アズ インフィニティ)」のボーカルの伴都美子さんが国歌独唱を行いました。「2年前のことを思い出したし、あの時から熊本のことを忘れたことはありません」との思いを込めて大役を果たして頂きました。

また、始球式を務める予定だった熊本出身のモノマネタレントのコロッケさんは、中止直後に即興モノマネライブを披露。がっかりしていた藤崎台球場のファンを思い、「中止のアナウンスで『えーっ』となった中で出て行くのは、正直怖かったです。試合を楽しみに来られたと思うし、特にロッテのファンの方などは遠くから熊本に来たと思います。熊本に来たいい思い出を何か残したかった。自分はモノマネしかできないけど」と、15分以上にわたって球場を盛り上げてくださいました。

そして、「初めて」という始球式を幻に終わらせまいと、内川聖一選手が打席に、甲斐拓也選手がキャッチャーミットを持ってグラウンドへ。見事なノーバウンドの力強い投球を見せると、ホークスファン、マリーンズファン関係なく全員から熱い、そして感謝の拍手が沸き起こりました。そのタイミングで堀内汰門選手がベースを一周し、ホームへのヘッドスライディングを披露し、またファンの喝采を浴びていました。

15日(日)は鹿児島へ舞台を移し、県立鴨池野球場でのマリーンズ戦が予定されています。


2018年4月14日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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