2018/10/01 (月)
球団

王会長と小久保氏が明かす「常勝」の原点

9月30日(日)、今年の球団創設80周年と来年には福岡移転30周年を迎えることを記念し、王貞治球団会長とレジェンドOBの小久保裕紀氏がトークショーを行いました。ヤフオクドームに隣接したホテルで、当日のマリーンズ戦の前に行われ、624名ものファンの方々が詰めかけました。

トークショーは2人の出会い、そして1999年のダイエー初優勝へと話が及んでいきました。小久保氏が「オールスターの頃でも打率が1割8分5厘しかなく、『もう4番から外してください』と王監督に頼みに行った。だけど、外してもらえなかった」とエピソードを披露しました。すると王会長は「4番は特別な打順。もし(小久保氏を)外しても、次に入る選手がものすごい重圧になる。2人も調子がおかしくなるのはチームにプラスにならないと思ったのです。彼にはつらい思いをさせましたけど」と打ち明けました。

名将、主砲として常勝ホークスの基礎を築き上げたレジェンド。王会長はホークスの監督就任当時「ホークスは強いチームという印象だった。8月あたりまで良い位置に居る。だけど最後の最後にどっかに行っちゃうんです(苦笑)。執念の違いかなと思いました」と言い、ユニフォームを着ると選手たちに勝ちにかける思い、負ける悔しさを何度も説いたと言います。小久保氏によれば「負けるたびにミーティングが行われた」とのこと。その中で初優勝、日本一を勝ちとち、強いホークスが完成されていったのです。

王会長は「勝つ喜びを知った人ほど、悔しさも大きくなる」と常に話します。その中で今年のホークスについて「思い通りの戦い出来なかった今年は悔しさ、不甲斐なさを感じたはず。それが来年、再来年につながっていく」とこれからの巻き返しとさらなるチームの成長に期待を寄せました。小久保氏も「西武の破壊力は異次元だったけど、ホークスも勝ち続けたし目の前の胴上げは阻止しました。王さんがチームに言い続けた『負ける悔しさ』が沁みついている証拠です」と意地を見せた後輩たちを称えました。

また、小久保氏は試合前のグラウンドで行われたセレモニアルピッチにも登場。背番号9の継承者である柳田悠岐選手が捕手役を務める中、力強いボールを投じました。その現4番打者に向けても「僕よりはるか上に行った」と活躍を称え、「ホークスのみならず球界を代表する選手になってほしい」とエールを送っていました。

2018年10月1日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

関連リンク

柳田 悠岐

球団一覧へ戻る
  1. トップ
  2. ニュース一覧
  3. 王会長と小久保氏が明かす「常勝」の原点