世界少年野球推進財団(WCBF)が開催する「第30回世界少年野球大会」の開会式が7月29日、福岡県大野城市で行われました。日本、米国、台湾や今回が初となるベトナムなど14の国と地域から男女84人が参加。福岡では初めての開催で、WCBFの理事長を務める福岡ソフトバンクホークスの王貞治球団会長は「福岡は私にとって第二の故郷。実現できて本当にうれしい。久しぶりの開催なので胸がワクワクします」と目を細めました。
世界少年野球大会は日米を代表する打者として歴史に名を刻んだ王貞治、ハンク・アーロン両氏が、正しい野球を世界に普及、発展させ、子供たちの友情と親善の輪を広げる目的で1990年に米ロサンゼルスで初めて開催されました。以降、毎年夏に世界各都市で行われてきましたが、2020年以降はコロナ禍の影響で中止。今年が5年ぶりの開催となりました。
開会式では大会オリジナルTシャツ、帽子を着用した王会長があいさつ。「子どもたちの目の輝きと笑顔が活力を与えてくれます。暑さに負けないで頑張ってください。頑張って!」と力強いガッツポーズをつくって激励しました。ホークスの公式ダンスチーム「ハニーズ」のメンバーは子どもたちに簡単な振り付けを指導し、ホークスのマスコットキャラクター「ハリーホーク」「ハニーホーク」らとともに、球団歌の「いざゆけ若鷹軍団」のサビ部分を元気よく踊りました。
これまでの大会は期間中のスケジュールを一つの自治体で行っていましたが、今回は大野城市や北九州市、大川市など9自治体にまたがっての広域開催です。8月5日まで9日間の期間中に野球教室や地元チームとの国際交流試合が組まれているのはもちろん、ホームステイや史跡めぐり、文化体験などさまざまな形で交流を深める予定です。また8月4日にはみずほPayPayドーム福岡でホークスの試合を観戦。球団が招待し、プロのプレーを目に焼き付けてもらう機会を提供します。
第1回大会に参加したスコット・ジョルツさんも「卒業生」として登場した開会式を終え、王会長は感慨深げな表情を見せました。ともに大会を創設したハンク・アーロン氏は2021年1月に86歳で死去。5年ぶりの開催、さらに節目の30回となった大会を2人そろって見守ることはかないませんでしたが、王会長は「人間は途切れるものだけど思いはつなげられる。ハンクさんの思いを私たちが受け止めて子供たちに伝えていきたい。そうすれば野球は未来永劫つながっていく」と誓いました。