 | 8回表1死二塁、小久保選手は左越えへ逆転の2点本塁打を放つ | 鷹の主将が値千金の逆転弾を放ち、4連勝!小久保裕紀選手が1点を追う8回、3番手建山投手から逆転の今季3号2ランを放った。天敵八木投手に6回まで1点に封じられたが、意地の1発で今季初の4連勝に導いた。最大4あった借金をついに完済。日本ハムに2年ぶりのカード勝ち越しを収め、これで優勝争いへと本格参戦していく。 待ち続けた鷹党に、文字通り頭上から逆転を告げる白球が降ってきた。1-2の8回1死二塁、小久保選手だ。「思い切り振ろうと思っていた。いいところに甘いボールがきた」。建山投手の真ん中に入ったスライダーをすくい上げた。 打球はドームの天井に吸い込まれそうな高さまで舞い上がり、左中間スタンドに着弾。「天井にぶつかるかと思った。(ぶつかって)センターフライだけは勘弁やね」。今季3号の逆転2ラン。主将がここぞの仕事をやり遂げ、日本ハムに逆転した。 2点を先制された上、天敵八木投手に6回まで1点と苦戦。先発ホールトン投手の粘投に打線が応えられずにいたが、小久保選手は「連勝を伸ばそうと、必死に戦うだけだった」と振り返った。 敗色がにじみ始めた矢先の逆転だった。8回1死から手負いの男の一打で始まった。「おれのライバルで、すごく理解ある後輩」。公私とも仲のいい松中信彦選手が前日21日の初戦で左手首に死球を受けながら、強行出場していた。しかも痛みに耐えながら内野安打で出塁。次打者小久保選手が刺激されないわけがなかった。 この日の1発は小久保選手特有のバットを高く掲げるフォロースルーがついたが、今季は“レアもの”になりつつある。2007年オフに左手首靱帯(じんたい)を手術した影響で、術前62~63kgあった握力が40kg前後まで落ち、今も回復しない。右手への依存度が高くなり「フォロースルーが低く見えるかもしれない」と話していた。それも甘い球なら無関係。「失投だと思うけど、1発で仕留められた」。あまりの強振で最後はバンザイする形で自らのアーチを眺めていた。 小久保選手は「会長も来られていたのでね」と、ビジター初視察だった王会長にも仕事ぶりをアピール。この一撃でチームはついに4連勝。17日には最大「4」あった借金も完済した。「1週間前とはえらい違い。急に元気が出てきたね。やっぱり勝つのが何よりの薬」。主将として勝利の必要性をあらためて感じ取った。 対日本ハムのカード勝ち越しは実に2年ぶり。12日間をかけて、勝率5割に戻した。勝負はここから。「やっとスタートだね。明日(先発の)大隣に期待しましょう」。反攻を宣言した秋山幸二監督の語気はいつにも増して強かった。 |