杉内俊哉投手が、阪神城島選手との真っ向勝負を宣言した。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で連覇を果たした日本代表の表彰式が17日、都内で行われた。杉内投手は阪神入りが決まった城島選手とWBC以来の対面。新人時代から投球術を教わった恩人に「対戦を楽しみにしている」と言われると、「全力でぶつかりたい」と宣言。精度を増したチェンジアップを武器に、かつてバッテリーを組んで制した日本シリーズでの対決を夢に描いた。
WBCの表彰イベントでレッドカーペットを歩んだ杉内投手と城島選手は、右手中指にはめた優勝リングをカメラに向けて記念撮影に収まった。ただし、懐かしい角刈り頭との再会は新たな戦いの始まりだった。古巣ホークス復帰でなく、阪神を選んだ城島選手からの言葉に、元来の闘争心が胸で踊った。
杉内投手「ジョーさんに、僕とか馬原との対戦を楽しみにしていると言ってもらった。全力でぶつかりたいですし、そんな風に言ってもらえてうれしかったです。」
来年は交流戦で4試合、勝ち進めば日本シリーズでの対戦もある。03年に阪神との日本シリーズを制し、杉内投手は城島選手とのバッテリーでMVPを獲得した。その舞台で、今度は敵味方としての対戦が可能となる。「そうなるよう頑張りたい」。相手が強いからこそ、恐怖心もあり、燃えるものもある。「怖いですね。交流戦4試合のうち、多くて(登板は)2試合だからいいけれど。パ・リーグでしょっちゅうだったら、絶対嫌ですよ」と素直に吐露した。具体的な城島選手の打撃イメージは頭の中にある。
杉内投手「ジョーさんはインコースが強い。特にカーブに体が止まりますから。まず球種からカーブは消えますね。アウトコースも1発はなくてもうまいですから。それに三振が少ない。」
メジャーでも内角さばきは通用した。捕手ならではの配球の読みも敵に回してはやっかいだが、杉内投手も黙っていない。最後に城島選手とバッテリーを組んだ05年は防御率、勝率、奪三振のタイトルに輝いたが「当時はスライダー主体でした。次の年から直球主体ですし、今はチェンジアップの精度がある」と自信をみせた。新人時代から投球術を教わった“恩人”が去った4年間に成長した自負がある。今季も直球とチェンジアップを中心に組み合わせ、勝率と奪三振の2冠だ。WBCでもバッテリーを組んだが、使用球の感覚の違いからチェンジアップを封印した。杉内投手のいう真っ向勝負の切り札こそ、この球種だった。
杉内投手にとって阪神戦は過去の公式戦で11戦5勝1敗と相性は抜群で、虎キラーの称号も持つ。ただし城島選手加入の新生阪神へ油断は一切ない。この日、ドレスアップした2人が次に会うのは、別々のユニフォームで、だ。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社)
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